OJT(オージェーティー)とは、「オン ザ ジョブ トレーニング (On The Job Training)」という英語の略語で「職場内訓練」「実地研修」の意味。
新人を実際に現場(日常の職場での業務)に配置し、仕事に必要な技術や能力、スキルを体で覚えていく、実践的な教育研修方法です。
OJTのプログラム
一般的な(理想的な)OJTのプログラムは、下記のような流れで実施します。
- まず上司や先輩が作業をして見せる。
- 作業についての説明、質問。
- 実際に本人に仕事をやらせてみる。
- 追加の指導やトレーニングを繰り返しながらフォローを少しずつ減らし、技能を習得させていく。
職場での新人本人の「体験」によって、実践的な知識やスキルを習得できるという利点があります。
コールセンターにおける「OJT」とは、お客様と直接電話応対し、それをSV(スーパーバイザー)など上司がモニタリングして、コールが終わるつどフィードバックを行い問題点を修正していくという一連の作業を行うのがほとんどです。
「来週からOJT(オージェーティー)に入ります」などと言われたら、「実際にお客様と電話をするんだな」という心の準備をしておくといいでしょう。
[関連用語]
モニタリング
SVが、お客様とオペレーターとの通話内容を、他の内線などで聞くこと。
フィードバック
お客様とのコール応対の内容を振り返り、その結果をオペレーター本人に伝えること。
「段階的」に日々のトレーニングが必要
OJTとは「仕事を通じて能力を高めること」ということは先にお話ししましたが、多くの現場では「目の前にある仕事を教えているだけ」というケースがよく見られます。
しかし、OJTにおいて、仕事を覚えることは部下や後輩の能力を伸ばすための「手段」に過ぎません。
これは、OJTをスポーツのトレーニングにたとえると、わかりやすいと思います。
これだけ!OJT ― どんな部下も戦力に変わる「計画」「行動」「コミュニケーション」のポイント/中尾ゆうすけ(著) すばる舎より
野球で言えば、基礎トレーニング、筋力トレーニング等の体づくりから、キャッチボールに始まり、守備練習、打撃練習‥‥。それは計画的に、段階的にステップアップするようにトレーニングメニューがつくられています。
一方、職場における仕事のトレーニングの実態はどうでしょうか?
OJTは、明確な意図をもって、計画を立て、段階的に指導、育成を継続していくことで個人の能力を上げていくのが基本です。
多くの書籍を見ると、「意図的に、計画的に、継続的に」と書かれています。私はこれまでの経験からこの3つに加えて、「段階的に」というのが重要なポイントであると考えています。
人は目指す目的地とその方法がわからなければ、ゴールにたどりつけません。
その代わり、段階的に仕事を教えていけば、基本を身につけた時点から先は、自ら応用して取り組んでいけるようになるのです。
関連記事:OJT に関する参考書
コールセンター用語集|「O」|OJT