松田綾子(著)
ダイヤモンド社
本の詳細
でも、どうせやめるなら、最後に一度、ちょっと常識外れかもしれないけど、自分の好きなやり方で、楽しみながら販売させてもらおう。怒られたら、この世界から足を洗えばいいや。私はそう思って、前から一度やってみたかった「実演販売のおじさん風」「バナナの叩き売り風」の販売に挑戦してみることにしたのです。
そしたら、まあ、売れること、売れること!
その日は柿を売っていたのですが、あっと言う間に、2日分の在庫を完売してしまいました。そのとき、ふと気が付いたのです。ある真理に。それは、「商品自体を売ろうと考えてはいけない」ということです。
これに気が付いたときから、私の販売成績は、ケタ違いにアップしました。
考えてみたら、当たり前なのです。
‥‥だって、柿でしょ?
どんなに安くても、普通、そんなに柿って、買わないでしょ? 果物の中で「柿が大好物」って人、そんなにいないですもんね。
ですから、「柿、買ってくれ〜!」と頭を下げてみたところで、「今日は安いんです!」と懇願してみたところで、人は、欲しくないんですよ、柿は。
柿を、売るんじゃなくて、
柿に付加価値を付けて、その付加価値を、売る。で、その「付加価値」っていうのは、「楽しい買物をするという体験そのもの」であったり、「感動を与えるパフォーマンス」であったりするわけですが、「柿がウマい」「柿が安い」ということでないことは、確かです。
そのことに気付いてからは、毎日が完売の連続となりました。
便利なことに、「付加価値」の部分は、売るモノが変わっても、店舗が変わっても、共通していたのです。今日は「みかん」、明日は「ワイン」と商品が変わっても、基本的には同じ方法で、ちゃんと売れてゆくのです。
目次
応援メッセージ
まえがき 自分の仕事が面白くないと思っている営業マンのあなたへ
第1章 パワー・マネキン研修へようこそ!
1 心理学と演劇論の組み合わせで、あなたも「売れる営業」になれる!
- いかにして買いたくなるような雰囲気を作るか?
- 心理学と演劇論の知識を活用する
2 「売れない売り方」がわかれば、「売れる売り方」が見えてくる
- 「売れない売り方」を「売れる売り方」に置き換えてみる
3 ライバルに勝つには、「圧倒的な魅力」を作ればよい
- 普通の商材を「今日のヒット商品」に押し上げる方法
- 商談に行く前には、相手に役立つ「耳より情報」を必ず用意する
4 宣伝文句を聞いてもらえる状況は自分で作る
- 相手の問題点に焦点を当て、「アイ・キャッチ」を作る
- 相手にしゃべらせるための質問の仕方
5 情報を受け入れてもらうための仕掛け
- あなたの売っている商品の「ライフサイクル」を意識する
- 年間4億円の売上を達成したトップ営業マンの売り方
- 自分の中で仕事のサイクルを決め、それを確実に実行する
6 「見る — 見られる」の関係とは?
- 「見る — 見られる」という力関係はエネルギーの法則で決まる
7 「スキーマ破壊の法則」でモノは売れる
第2章 あなたが言葉を発するまでに、勝負はついている
1 展示用と試食用食品の関係=パンフレットとサンプルの関係
- 営業ツールのない商品は売れない
2 あなたは押し売りではなく、「先生」にならなくてはならない
- 「教えてあげる」「手作り」がポイント
3 「メラビアンの法則」に従って、見た目を変えましょう
- 「姿勢」「表情」「声」の3つを、仕事用のものに切り替える
4 エネルギーを発する立ち姿
- ディズニーランドのキャストが輝いている理由
5 人はエネルギーのある人に惹かれるもの
6 エネルギーのある人とない人の違いは?
- 無駄な動きをするほど、あなたのエネルギーは低下する
7 どうすればエネルギーを高められるのか?
第3章 言葉の内容よりも、言葉の発し方で勝負は決まる
1 オーラを感じる声の出し方
- 「素」の口調と抑揚で話すことが基本
2 誰もが陥る「声の常識」のワナ
3 「一人称トーク」「二人称トーク」「三人称トーク」
- 相手にモノが売れるのは「二人称トーク」だけ
4 宣伝コピーの成功・不成功は「誰に向かって書くか」で決まる
- 「素の私」で話しかけて、「無視したら失礼だな」と思わせる
- 文章にも「二人称」トークがある
5 自分のテンションをコントロールできれば、場の主導権を握れる
- 「お金の取れる声」「お客さんを呼ぶONの声」の出し方
- 「パワーを感じる人」は、腹式呼吸で発声している
- 真実オーラに包まれると「自分の売っている商品が好きだ」と思えてくる
- 人は、理屈ではなく感情でモノを買う
6 誰に何を伝えるか
- 自分のプロ意識を伝えて「あなたから買いましょう」と思わせる
第4章 売れる営業になるためには、何をしゃべればいいのか?
1 「逃げ道トーク」とは?
- 「買わなくてもいいよ」という態度に出た方が売れる
2 お客さんを呼ぶ5つの「魔法のセリフ」
- 人は、皆が欲しがるモノは並んででも欲しがる
- 5つの「魔法のセリフ」を使い分けて、お客を落とす方法
3 人が暇そうな時こそがチャンス
- 回った会社の数だけ、潜在的なチャンスは増えていく
4 お客さんが「足を止める言葉」と「買う言葉」
- 情報量で商品に付加価値を付ける
- お客さんにとっての良いコーチになってあげる
第5章 どんな人材になればいいのか?
1 魅力の秘密は「天使モード」にあり
- 自分の感情をコントロールして「天使モード」に切り替える
2 どうすれば「天使モード」になれるのか?
3 まず、「素の自分」でいることは怖いことだと自覚すること!
4 「素の自分」を「天使モード」に変える方法
5 三種の神器「腹式呼吸」「早口言葉」「お笑い」って?
6 具体的な訓練はこうする
7 トークにリアリティを感じさせるには?
まとめ
売れる営業の法則 —— テクニック23
あとがき
解説
参考文献
松田綾子(著)
ダイヤモンド社