待ち呼(まちこ)- コールセンター用語集

待ち呼

待ち呼(まちこ)とは、電話回線が込んでいるためにオペレーターが対応できず、電話は繋がっているものの、お客様が待っている状態。待機呼(たいきこ)。

通常このとき、お客様側には「ただいま大変込み合っています。しばらくお待ちください」などの自動音声ガイダンスが流れ、オペレーター側には、「待機人数」「待機時間」などの通知表示をしているのが一般的です。

(この通知表示の掲示板に対し現場では「待ち呼がついている」「待ち呼が○○人ついている」などと使用するようです)

待ち呼をそのままにしておくと、お客様からの信頼を失うなど「CS」(顧客満足度)の低下につながるため、対応中のオペレーターは、無駄なくすばやく、次の電話を受けられるようにするスキルを要求されます。

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待たされる側は、1分が3分に感じる

ビジネスにおける電話の最大のサービスは、スムーズさです。

一刻も早く用件をすませることが、ビジネスにおける電話の最大の価値だということは、自分が顧客の立場になったときに誰もが感じることでしょう。

多くの企業ではCS(顧客満足度)の中で、「待たせないこと」をとくに重要視していますが、それもこの表れでしょう。

プロフェッショナル電話力話し方・聞き方講座/恩田昭子 (著) 日本実業出版社より

私たちの時間感覚は、人によって、立場によって、または状況によってかなり異なります。

「たかが1分」と思うかもしれませんが、待つ側の人は実際の3倍ぐらいの時間を待たされたと感じるそうです。
しかも、待たせる側は、実際の2分の1くらいにしか感じないというのです。

つまり、待つ側と待たせる側の時間感覚の差は、およそ6倍にもなります。

「待ち呼」を理論的に考えてみる

コールセンター・サービスの不満についての実態調査結果によると、「なかなか電話がつながらない」、「電話の待ち時間が長い」という答えが全業種にわたり多かった。

コールセンターのすべて ― 導入から運用まで/菱沼千明 (著) リックテレコムより

当然ながらコールセンターへは、通信会社との間の回線数が多ければ多いほどつながりやすい。
回線数が少なければ、コールはブロックされ、何度かけても「話中」になってしまうことはよく知られている。しかし、コールの多さや通話時間の長さから適切な回線数やオペレータ数を理論的に算出できるにもかかわらず、勘と経験に頼って決めているケースが少なくない。

(1)外線数は、初期導入時に「呼量」と「呼損率」を基準にして求める。
(2)内線数およびオペレータ座席数は、初期導入時「待ち合わせ許容時間」を基準に求める。
(3)オペレータの着席数は、運用時の「呼量」「待ち合わせ許容時間」「非通話時間」を基準に求める。

(例題2)あるコールセンターでは、1時間あたりに平均66個のコールがランダムに入り、7人のオペレータが平均5分かって処理するとする。ただし、その通話時間のばらつき具合は指数分布になっている。この場合の待ち合わせ時間はいくらか。

(例題3)例題2で、平均1分半も待たされるのでは顧客の満足は得られない。オペレータの数を増やして、平均待ち合わせ時間を12秒以下にしたい。何名にすればよいのだろうか。

「待ち呼」を別の視点から考えてみる

あるコールセンターでコール数がとても多いため、顧客を待たせてしまうという問題がありました。そこでオペレーターの対応時間を短くしてできるだけ多くさばけるようにするという目標を立てました。
効率を良くするわけですから、一見良い取り組みに思えますね。

外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術/清水久三子(著) PHP研究所より

しかし、企業全体の効率化の視点で見るなら、コール数そのものを減らすべきではないでしょうか。

そう考えると、商品を売る段階できちんとした説明をしておく、マニュアルをもっとわかりやすくする、商品そのものをもっと使いやすいものにする‥‥などの打ち手が上がってくるでしょう。問い合わせがゼロになればコールセンター自体が不要になってくるかもしれません。

 
コールセンター用語集「ま」行|待ち呼

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