顧客満足とは、文字通り「お客様の満足」と言う意味。
アメリカで1980年代頃に生まれたCustomer Satisfactionという概念が輸入され「顧客満足」「顧客満足度」と翻訳されたもの。
それまで企業側が顧客(利用者/消費者)に対し一方的に提案・提供していた商品やサービスを、顧客の希望を反映させたほうが、良いのではないかという考え方。
その目指すところは
- 商品やサービスに満足した顧客は
再度、購入(利用)しようとする(「リピーター」が増える) - 購入者は商品やサービスの良さを知り合いに勧める(口コミ/拡散)
- 収益が増えることで、販売コストが減少する
- 最終的には企業の利益が増す
というもの。
アンケート調査などを実施することで「お客様の声」を客観的にデータ処理、分析を行ない、数値化、指標化。
商品開発やサービスの質の向上に反映させる企業もあります。
コールセンターの現場では、「お客さまを待たせることで顧客満足が下がる」「オペレーターのスキルアップで顧客満足度の向上を図る」などと使われています。
英語のCustomer Satisfactionの頭文字から「CS(シーエス)」とも言います。
「顧客満足」がわかる。コールセンター参考書
「顧客満足」の基本がわかる本・身近な事例でよくわかる“お客様重視”の実践法則
鈴木 豊(著)
PHP研究所
ところで、顧客満足という言葉はいつごろから使われているのでしょうか。
一説によると、1970年代のアメリカまで遡ります。
当時、アメリカでは日本やヨーロッパ諸国から入り込んでくる優れた商品やサービスとの競争にさらされ、アメリカ産業界の衰退が深刻化していました。そのため、1980年代初頭には政府主導の下に、この対策を講じてきたのです。
やがて、自動車業界や運輸業界、そして各種サービスなどでカスタマー・サティスファクション(CS)として正式に採用され、そのためのシステムが加熱していきました。
アメリカで注目を集めているノードストロームやホームデポなどの超優良小売業は一時期、「顧客サービス」という言葉の意味を再点検し、そこに多大なコストと時間を費やしたと言われています。
金綱 潤(著)
中経出版
「顧客満足(Customer Satisfaction)」という言葉は、何度も耳にされていると思いますが、実は正確な定義はありません、それは、この概念が時代とともに変貌しているからです。
誰もが重要なテーマであるとは認識するものの、明確な定義づけがされていないために、企業ごとに考え方の違いや取り組む姿勢に温度差が生じているのが実情です。
唯一、明確なのは、「顧客満足」は商品・サービスを提供する企業側の論理ではなく、受容する取引相手やユーザー(利用者)、コンシューマー(消費者)側の論理だということです。
その意味では、生産志向 → 販売志向 → マーケティング志向 → 消費者志向(社会・環境志向)というマーケティング進化過程と、同時に発展してきたともいえます。
つまり、「いかに効率的にモノを供給するか」→「いかに売るか」→「いかにお客様の欲するモノやサービスをタイムリーに提供するか」と変貌してきたわけです。
コンタクトセンターのプロから学ぶ
・コンタクトセンター オペレーター完全マニュアル
日本コンタクトセンター教育検定協会
富士通オフィス機器
顧客の満足度を向上させるためには、顧客の事前期待にあったサービスを提供することが重要です。顧客満足は顧客が持つ事前期待と、コンタクトセンターで実際に経験した応対のギャップにより変化します。
顧客は、事前期待よりコンタクトセンターで経験した応対が期待を上回っている場合には大変満足と感じ、事前期待よりコンタクトセンターの応対が劣っている場合には不満と感じます。そのため、オペレーターは、顧客の事前期待は何かを見つけ出し、顧客の期待に沿った応対を行うことが重要です。
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