「顧客満足」の基本がわかる本・身近な事例でよくわかる“お客様重視”の実践法則
鈴木 豊(著)
PHP研究所
本の詳細
「繰り返しチラシ広告を打っても来店客は一向に増えない」
「産地から直接活きのよい商品を仕入れても売上は思うほど増えない」
「何とかよい売り場をつくれるようになったけれど、
顧客は以前ほど飛びつかなくなった」「DMさえも回収率が悪くなった」等々。
様々な努力の甲斐もなく、
なぜ業界回復の兆しは見えて来ないのでしょうか。
その理由は、小売業が顧客に対し、
ソリューション(解決策)を提供するという認識に欠け、相変わらずモノ売り(商品政策)中心の発想から抜け出せないためです。
モノの溢れる時代に、
顧客は商品そのものに対するニーズよりも
自己の生活におけるソリューションを求めるように
変化しているのです。
「何をすることが大切なのか」という
“優れたサービスの定義”を教えてくれるのは、
いつも当の顧客でしかないのです。とはいえ、売る側の企業ではいつも同じ過ちを犯しています。
それは、次のような厳格なルールを
義務づけている企業によく見られることなのです。
- 顧客がショールーム(店内)に入ってきたら、直ちに挨拶すること
- 電話は三回めの呼び出し音を鳴らさずに取ること
- 五分間は顧客に近づかないで自由に見させること、など
こうした”善意の錯誤”と言えるような
顧客への気配りは、実際、何の役にも立たないのが
実状であることを理解すべきなのです。
現実に大切なことはたった一つしかありません。
「顧客は何を望んでいるか」です。
顧客満足の経営を行なうには、
そのことを顧客自身にうまく聞いてみる
仕組みづくりが不可欠となっています。
「いいものをより安く、より多くの人たちへ」
これまで日本の企業が絶対的な「よりどころ」としてきた
大量生産や大量販売の考え方、
そしてその経営哲学は、
21世紀を迎えた今、
もはや過去のものとなりつつあります。
不特定多数の消費者を想定し、
単に商品をバラまくだけのやり方、
顧客が低価格だけを求めているかのような売り方は
もはや通用しません。
本書は「顧客満足(CS)」の基礎知識をふまえつつ、
小売業を中心に取り組みがさかんな
「優良顧客の創造」に焦点を当てた、実践的な入門書です。
優良顧客とは、何度も店に足を運んでくれる
多頻度利用顧客(お得意様)のこと。
これからの時代に生き残るのは、
そうした優良顧客をきちんとつかんでいる企業だ、と
著者は語ります。
最先端のサービスを提供している日米の企業、
店舗の具体的取り組みも、ふんだんに紹介。
さまざまな
「お客様重視の実践法則」を
わかりやすく解説しています。
目次
・はじめに 顧客満足経営の流れ(本書活用のためのステップ)
序章 商品が先か、お客様が先か
- 商品供給主義から顧客優先志向へ
- 「商品ロス」より「顧客ロス」こそ重要課題
- “善意の”に陥ることなかれ
第1章 顧客満足とは何か?
- 顧客満足とは、こういうことなのです
- 顧客満足には、定説があります
- 顧客満足の新三原則って何ですか?
第2章 顧客満足の裏と表を知ろう
- 多くの企業が繰り返してしまう
”顧客不満足”の三原則(三つの思い込み)とは - 顧客を経営に参加させよう
- どうすれば本当の声を聞くことができるのか
- 顧客に売る側の本心を伝えるには
第3章 顧客重視と商品提案の思い違い
- 顧客重視(カスタマー・フォーカス)って何だろう
- 曇りガラスをどう取り除くのか
- 揺れ動く顧客をどうつかまえるか
第4章 従業員満足なくして顧客満足なし
- 二四カラット級の人材はどこにいる?
- 人材育成へのハシゴって何のこと?
- 人間尊重の組織をどうつくるか
- 行動力のある人材を迎えられる企業とは
- いかなる時にも無条件で返品を受け付けよう
- 狼人間を育てる経営幹部の過ちとは
第5章 顧客を満足させるための原則
- すべての顧客が平等でいいのでしょうか?
- 優良顧客の利益を吸い取っているのは誰か
- 優良顧客を優遇する効果
- 私はこれで優良顧客をつなぎ止めています
第6章 優良顧客はこうして創れ!
- 多頻度利用顧客に向けたサービス・プログラム – FSP
- FSPの仕組みはこうなっています
- FSPはどんどん進化しています
- “満足保証”が利益を生み出す
- 購買行動は”特典”に左右されます
- 業界の常識を覆したイズミヤの個客識別戦略
第7章 ロイヤルティ・マーケティングへの取り組み方
- ロイヤルティ・マーケティングの実施ステップ
- 顧客をどう識別すべきなのか
- 優良顧客を生み出すまでの階段とは
- 市場シェア(売上)と顧客シェア(利益)のどちらを選ぶか
・おわりに
「顧客満足」の基本がわかる本・身近な事例でよくわかる“お客様重視”の実践法則
鈴木 豊(著)
PHP研究所