フランセス・フレイ(著)アン・モリス(著)池村千秋(翻訳)
日経BP社
本の詳細
「すべてが最高」という考え方には無理があるということである。
あらゆる面で高水準のサービスを提供しようとすれば、
ほぼ確実に、精彩を欠いたサービスしか生み出せない。上質なサービスを実現するためには、
かならずなにかを犠牲にしなくてはならないからだ。顧客が最も重んじている側面で
上質なサービスを提供したければ、
それ以外の側面で
サービスの質を落とすことが避けて通れない。言い換えれば、
いくつかの側面であえて
質の悪いサービスを提供する勇気と覚悟が必要なのだ。
すべてのスタッフが無期限に、
毎日毎日、英雄的な活躍をし続けるという前提で
システムを設計しても、けっしてうまくいかない。システムを機能させるためには
上質なサービスが特別な行動ではなく、
ごく普通の行動となる仕組みをつくる必要がある。スタッフに超人的な犠牲を強いるような仕組みは
長続きしない。重要なのは、花形スタッフだけでなく、
誰もが日々の定型業務をおこなうだけで、おのずと
質の高いサービスを提供できるようなサービスモデルを
設計することだ。
一握りの超人的なスタッフに頼り切って、
ひたすら前に突き進むようでは、
素晴らしいサービスは生み出せない。質の高いサービスを実現し、
利益をあげ、ビジネスを継続させ、
さらに規模を拡大させていくためには、誰もが良質のサービスをおこなえるように
ビジネスを設計する必要があるのだ。
どれだけ立派な理念を掲げ、
熱意をもって顧客をもてなしても、
それが収益に結びつかなければ意味がありません。
企業は「最高のサービス」ではなく
「儲かるサービス」を目指すべきだ。
と著者は語ります。
「すべてが最高」はそもそも理論上無理である、
だから、精彩を欠いたサービスしか生まれない。
というメッセージを核に、
どこに重点を置き、どこで手を抜くべきかを分析。
顧客満足と収益を両立させる合理的な
「サービスモデル」の設計手法を、
ハーバード・ビジネススクールの豊富なケーススタディを
もとに解説しています。
目次
序章 サービスエコノミーの時代?
第1章 原則1 ── 「すべてが最高」には無理がある
第2章 原則2 ── 誰かがコストを負担しなくてはならない
第3章 原則3 ── それはスタッフの責任ではない!
第4章 原則4 ── 顧客をマネジメントせよ
第5章 企業文化をカタチにする
第6章 「サービス」を武器に成長する
おわりに
フランセス・フレイ(著)アン・モリス(著)池村千秋(翻訳)
日経BP社