菱沼千明(著)
リックテレコム
本の詳細
コールセンターに従事しているが、部分的な知識しか知らないので体系的に学びたい、これからコールセンターを立ち上げたいがどのようにしたらよいか、既にコールセンターを導入しているが、うまく機能していない、と思っている方々を対象としている。
その後、コールセンターを取り巻く環境は大いに進展し、加筆の必要性を感じていた。代表的なキーワードであったCTIは当たり前になり、代わってKPI管理、セキュリティマネジメント、そしてナレッジマネジメントなど、ハード面からソフト面へとキーワードは移っている。
第I章はイントロダクションである。コールセンターの役割は何か、どのような機能を果たすのか、そして顧客経営拠点として目指すべきコールセンターについて解説した。
第II章は「コールセンターのプランニング」である。よくあるコールセンター構築の失敗例は、このプランニングを正しく行なわなかったことに起因していることが多い。マーケティング戦略策定にはじまり、業務設計のプロセス、KPI管理指標の設定、人材の確保、オペレーション環境、そして予算見積もりについて記述した。
第III章では、コールセンターシステムの設計について述べた。業務要件に合ったシステムを設計するのに必要なノウハウを開陳してある。もちろんCTIについても触れている。
第IV章ではより良いコールセンターにするための方法について解説した。生産性向上、品質向上に資する技術、顧客の生の声を分析し、経営の中枢に反映させるナレッジメント、そして個人情報保護法に対処するためのガイドラインも示してある。従来、敬遠しがちだったトラフィック問題についても分かりやすく解説した。どれだけの回線数やオペレータ座席数を用意したらよいかという課題について理論的に計算する方法も示してある。
コールセンターを体系的に解説した始めての専門書として知られるベスト&ロングセラー「コールセンターのすべて」の内容を刷新。
プランニングから構築・運用までコンタクトセンターのすべてを網羅した一冊。本書ではコールセンター導入段階から、機器構成、構築、運用までを体系的に解説しています。
目次
まえがき
第I章 躍進するコールセンター
1 コールセンターとは
(1)コールセンターの変革
(2)コールセンターの役割
(3)コールセンターを活用している業種・業態
2 コールセンターの運営形態
(1)「インバウンド」と「アウトバウンド」
(2)「インハウス」と「アウトソーシング」
(3)アウトソーシングのメリット
(4)まる投げは危険
(5)「インソーシング」も有効
3 顧客志向経営拠点としてのコールセンターの運営形態
(1)CRMとは
(2)顧客との長期的関係づくり
(3)顧客セグメンテーション
(4)ワン・トゥ・ワンマーケティング
(5)CRM実践に最適なコールセンター
(6)利益に貢献する「プロフィットセンター」
(7)顧客の声を分析し経営に反映
4 インターネットを活用したコンタクトセンター
(1)コンタクトセンターの特徴
(2)センター稼働の効率化
(3)Webを使って顧客自身が問題解決
(4)Webによる顧客コンタクト
(5)Eメールコンタクトの自動化
(6)デジタルプロモーション
(7)マルチコンタクトチャネルの統合オペレーション
5 成長するコールセンター/CRM産業
(1)コールセンターの規模別分布
(2)CRMソリューション市場規模
(3)成長を続けるテレマーケティング・エージェンシー
第II章 コールセンターのプランニング
1 マスタープラン策定
(1)優れたコールセンターの条件
(2)アセスメントを行う
(3)マーケティング戦略を策定する
(4)異なるチャネルでコンタクトしても満足する応対を提供
(5)リソース計画を立てる
2 業務設計のプロセス
(1)業務設計とは
(2)コールフロー
(3)ワークフロー・ツールを使う
3 管理指標(KPI)の設定
(1)指標に基づいて“品質”を管理する
(2)生産性を管理する指標
(3)収益性管理
(4)生産性・品質・収益性のバランスをとる
(5)クオリティマネジメント
4 人材の確保と配置
(1)所要人材と役割
(2)採用
(3)人的リソースの配置
(4)トレーニング
(5)モニタリングとコーチング
(6)モチベーションと定着率の向上
5 オペレーション環境の設計
(1)ロケーション
(2)フロアプラン
(3)ドキュメント
6 予算見積もり
(1)システム導入コスト
(2)TCOで判断する
(3)コンタクトあたりのコスト
第III章 コールセンターシステムの設計
1 システム要件を定義する
(1)システムの設計から導入までの流れ
(2)プロジェクト管理
(3)センターシステムの構成要素
(4)システム外部設計
(5)パッケージソフトウエアの「カスタマイズ」
2 通信系システムの設計
(1)いろいろある通信回線の種類
(2)PBX(Private Branch eXchanger)
(3)電話番号の種類
(4)自動着信呼分配機能(ACD)
(5)対話型音声自動応答装置(IVR)
(6)顧客応対ソフトウエア(CIS)
(7)コールマネジメントシステム(CMS)
(8)通信会社のネットワークサービスを利用する
3 コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション(CTI)の役割とメリット
(1)CTIとは
(2)1人のオペレータが複数電話番号を応対
(3)高度な着信振り分け
(4)スクリーン・ポップアップ
(5)コールエスカレーション
(6)プレビュー・ダイヤリング
(7)プレディクティブ・ダイヤリング(予測発信)
(8)コールバックの自動化
(9)電話系とコンピュータ系のデータベースの統合
(10)マネジメント機能の充実
第IV章 より良いコールセンターのために
1 生産性を向上させる
(1)生産性を高めるには
(2)システムが出力する指標数値を見て判断する
(3)ACDのスキルベースルーティングを活用する
(4)対話型音声自動応答装置(IVR)が効果的
(5)「アウトバウンド」にはプレディクティブ・ダイヤラーを活用
(6)ワークフォース・マネジメントにより効率的な稼働スケジュールを作成
2 品質を向上させる
(1)指標に基づいてマネジメントする
(2)ボイスロギング装置
(3)オペレータのスキル評価
3 コールセンターのナレッジマネジメント
(1)アナリティカルCRM
(2)ネットワーク時代のクチコミ効果
(3)大量なデータの中から有効な法則や傾向を探り出す
(4)コールセンターにおけるデータマイニング
(5)「顧客の声」を解釈するテキストマイニング
(6)顧客の特性を把握し、一歩先の行動をする
(7)ヘルプデスクにおける問題解決
(8)ナレッジマネジメント導入の注意点
4 セキュリティの確保
(1)個人情報保護法
(2)セキュリティポリシーを定める
(3)物理的セキュリティ
(4)人的セキュリティ
(5)第三者機関の認定を得る
5 回線数と座席数を最適に用意する
(1)「呼量」と「呼損」
(2)「呼損率」とは
(3)平均通話接続数が「5」ならば必要な回線数は「5」でよい?
(4)コールセンターの回線増設例題
(5)「大群化効果」と「分割損」
6 「つながりやすさ」を理論的に追求する
(1)コールセンターのトラフィックモデル
(2)待ち合わせ時間を計算する
(3)モデルを適用して初期設備数を計算する
(4)サービスレベルに従って運用時のオペレータ着席数を決める
(5)インターネットに公開されたリソース計算ツールを使う
第V章 ブロードバンド時代の顧客コンタクト
1 爆発的に広がるブロードバンド利用
(1)ブロードバンドとは
(2)ベストエフォート型とは?
2 IP電話導入を検証する
(1)IP電話とは
(2)IP電話のしくみ
(3)IP電話の基本接続パターン
(4)発展途上のIP電話
(5)IP電話利用顧客からの要望
(6)コールセンターにとってのメリット
(7)IP電話の課題
3 ブロードバンドネットワークで変わる顧客コンタクト
(1)ブロードバンドのインパクト
(2)モバイル・コンタクトによるチャネルミックス
(3)魅力的なサービス・ポータルを提供する
(4)顧客、フロントオフィス、バックオフィスをシームレスに結合
(5)リアルとバーチャルを融合し、新たな価値を創造するユビキタス
(6)コンテンツの創出
菱沼千明(著)
リックテレコム