やる気。動機付け。熱意。
やる気が起こることを「モチベーションが上がる」。
やる気がでないことを「モチベーションが下がる」などと使用します。
オペレータのモチベーション、高めるための施策
生産性が上がらない理由は、スキルや業務知識の不足だけとは限らない。一般に「何を期待されているかわからない」「何か障害になっているものがある」「やりたくない」である。こういった要因を排し、オペレータのモチベーションを高めるためには、同業他社と比べて決めた報酬を与えるだけでなく、次のような施策を実施するとよいだろう。
コールセンターのすべて ― 導入から運用まで/菱沼千明 (著) リックテレコムより
- 責任を明確にし、目標をきちんと伝える。
- 必要な情報はすべて提供する。
- 効果的なトレーニングを定期的に実施する。
- 仕事を支援するツールを提供する。
- 快適な労働環境を提供する。
- あらゆる目標が正当な手段で達成できるようにする。
- 各人の貢献を正しく評価し、各人の業績を迅速かつ参考になるようフィードバックする。
オペレータが能力を最大限に発揮するには、働く「動機づけ」とそれに対する「報酬」の仕組みが必要
人は何故働くのか
- 生活費を得る(生理・安全要求)
- 認められたい(愛情・尊厳要求)
- 達成感を得たい(自己実現)
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モチベーション(動機づけ)
インセンティブ(達成報酬)
「外発的動機」と「内発的動機」
心理学の世界では、モチベーションを「外発的動機」と「内発的動機」の2つに分けて考えます。
「外発的動機」とは、外からの刺激による動機づけのことです。
たとえば、「評価を得るためにがんばる」「金銭的な報酬を得るためにがんばる」「罰則、苦痛から逃れるためにがんばる」といったことです。
「外発的動機」には、成果を出しやすいけれど持続しない、という特徴があります。ですから、短期間で成果を出さなくてはいけない場面では、「外発的動機」に働きかける教え方も効果的です。
しかし、この方法ではモチベーションを長く保つことはできません。
受講生にモチベーションを長期間保ってもらうためには、「内発的動機」に働きかける伝え方をする必要があります。
「内発的動機」とは、自分の内側から起こる動機づけのことで、おもに「有能性」「自律性」「関係性」という3つの要素で成り立っています。
有能性とは、「私はできる」という感覚を持つことです。
私は誰にでもできるような簡単なワークから取り組んでもらい、少しずつ難易度を上げていくようにしています。
こうすることで、本来とても難しい「オリジナルセミナーづくり」が誰にでもできるようになるのです。
小さな成功体験を一つひとつ積み重ねることで、「私にもできるかも」という感覚が、「私にもできた」という自信に変わります。その自信が、「もっとやってみたい」という受講後のモチベーションへとつながっていくのです。
自律性とは、「自分で決めている」という感覚をもつことです。
誰しも、親や上司から、やることをあれこれ指示されて嫌な気持ちになったことがあると思います。人は本来、何事も自分で決めたい生き物です。
自分にとって大切なことならなおさらです。自分の進路や生涯のパートナーを、他人に決めてほしいと思う人はいないはずです。
関係性とは、「人とつながっている」という感覚を持つということです。
自身の抱える悩みや問題の解決法が明確化され、それが本当に解決できるとわかると、そのノウハウを使って他人の成功や幸せに貢献したいと思いはじめます。
すると「やってみよう」という意欲がさらに大きくなり、それがやがて自分の「使命」であると感じるようになることすらあります。
目標に具体性を与える
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学/ハイディ・グラント・ハルバーソン (著) 林田レジリ浩文 (翻訳) ディスカヴァー・トゥエンティワンより
目標について、私がいつも最初に教えること ———— それは「具体的にしなさい」ということです。
例えば、「やせたい」と思うのならば、目標は「やせる」ではなく「5キロやせる」とするべきなのです。
なぜ、前者より後者の方が好ましい目標なのでしょうか。
それは、後者の方が、求める成功の姿をはっきりと見せてくれるからです。
「自分が望んでいるものは何か」———— これをはっきりとわかっている人は、そこに到達するまでやり抜くことができます。具体的な目標を決めたら、そのために必要な行動は何かを具体的にすることも大切です。「いつまでに、何をするのか」を決めるのです。
「できるだけ食べないようにする」あるいは「もっと睡眠時間を取るようにする」といった目標はあいまいすぎます。
睡眠時間を長くしたいなら、目標はこうするべきです。
「平日の夜は、午後10時までにベッドで横になる」
これなら自分が何をすべきなのかが、具体的になります。実行できなかった日にも、それがはっきりとわかります。
これまでの数千もの心理学の研究結果から、わかっている事実があります。
それは「目標を達成するには、その目標が具体的になっていなければならない」ということです。仕事で結果を出したいなら
「年収を( )上げる」
「( )に昇進する」
というように目標に具体性を与えなければなりません。誰にでも、気が向かないとき、サボりたくなるとき、あきるとき、落ち込むときがあります。
そんなときに、目標に具体性がないと、簡単に、楽な方へと流されてしまいます。そうならないために、目標は具体的にする必要があるのです。
目標が具体的なら、それが実現したときには、はっきりとわかります。反対に、実現できなかったときにも、何が原因かが、やはりはっきりとわかるのです。
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