稼働率(かどうりつ)- コールセンター用語集

稼働率

稼働率(かどうりつ)とは「あるシステムの総数に対して、実際に稼動しているシステムの割合」という意味。

製造業などの場合には、製品の生産能力に対し、実際に生産された量の割合を「稼働率」といいます。

ある工場で通常、1か月で車を100台作れるが、不景気で売れなくなり一定期間、1日に車を50台生産するのであれば、その工場の稼働率は50%となる。(生産能力は100台)

生産できる量のうち、実際生産した量(生産数量)の割合→ 稼働率

経済産業省「生産能力・稼働率って何ですか?」より

コールセンターにおける稼働率とは、オペレーターの電話待機時間に対して、実際にコールを処理(お客様と電話対応)している時間の割合のこと。

コンタクトセンター教育検定によると、さらに具体的で

稼働率

効率性指標のひとつで、給与時間に対する生産的活動の割合を表す。

([通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間]/[給与時間])で算出される。

ということです。

スポンサーリンク

「受信」と稼働率

しかしながら、問題解決型であるヘルプデスクは、一般的なコールセンターに比べて1案件あたりの対応時間が長くなりがちで、要員のスキルに頼る部分が大きい。

この為、要員の突発的な欠員や要員交代に対するリスクが大きく、稼働率が多少低くなっても、要員数を減らせない事情があるのも事実である。

これらのリスクと運用コストのバランスを適度に保ち、お客様の期待に応えられるセンターを目指した、運用マネジメントの構築が非常に重要となる。

NECネクサソーシング「ヘルプデスクをアウトソーシングする3つの期待

「稼働率」がわかる。コールセンター参考書

通販ビジネスの教科書

通販ビジネスの教科書

岩永 洋平(著)
東洋経済新報社

コールセンターの効率性を図る指標を1件当たり処理単価、あるいは時間当たり処理件数・稼働率・応答率等のみに設定していまうのは陥りがちな誤りです。

費用・時間と処理件数の割り算では、収益に対する効率はすなわち算出できません。

単純な生産性・業務処理効率と、費用対効果は異なるからです。

言い換えると、業務効率指標と収益指標は違うものさしです。

1時間に処理した電話の件数は、単純に業務処理効率の指標です。

これに対し、同時間での定期購入者の獲得件数は費用対効果の指標になります。

前者と後者は必ずしも比例しません。

商品・プロモーション説明に時間をかければ本品購入・定期購入への転換率は向上し、時間当たりの処理数を減らしてもコンバージョンが上がれば費用対効果・収益が向上する可能性があります。

コールセンターに業務処理効率ばかりを要求すると、引き上げやリピートの売り上げ機会損失・顧客ロイヤリティの毀損を招きます。

頼られるWeb担当者になる!ネットプロモーション教本

頼られるWeb担当者になる!ネットプロモーション教本

木下 直一(著)、田中 千晶(著)
マイナビ出版

コールセンターの費用対効果や対応品質は数値にしにくいと思われているかもしれませんが、それは間違いです。

現状を把握して、より良いコールセンター運営につなげるためには以下の項目を見てみてください。

稼働率:
出勤してからオペレーターが実際に電話対応を行なっている割合。
100%に近いほど、業務をこなせていると言えるが、その分オペレーター1人の負担が多いとも言える。

応答率:
かかってきた電話に対応できた割合。
応答率が低ければ「このコールセンターはつながりにくい」と判断される。

一次解決率:
顧客からの最初の問い合わせで問題解決につなげられているかの数値。
一度の問い合わせで問題が解決できれば何度も同じ顧客・同じ質問に答える必要がなくなり業務が効率的に行なえる。

処理時間:
電話対応と電話終了後の情報入力業務にかかった時間。
短ければ、対応できる電話の数は増えるが顧客一人一人への対応品質がおざなりになっていないか注意が必要。

これらの項目をチェックし、現状把握をすることで改善策を見つけ出し、収益につなげましょう。

たとえば、一次解決率を改善すれば、顧客の満足度が向上しリピーター化するとともに、同じ問い合わせが減り人件費の節約から、利益へとつながるのです。

 
コールセンター用語集「か」行|稼働率

タイトルとURLをコピーしました