木村真子(著)
東洋経済新報社
本の詳細
皆さんの中には「今さらチラシで広告しても‥‥」、「広告手法として古いのでは?」と考える方も多いかもしれません。なぜ、今チラシでの広告を行なうのでしょうか。その理由は、先ほどもお話ししたターゲット占有率と、拡大性にあります。
チラシが折り込まれる新聞や同封同梱広告の媒体属性は、60代以上の高齢者の割合が高くなっています。新聞を読む人の割合(平日、男性)は、70歳以上が78%、60代68%となっているのに比べ、30代では23%、40代41%、50代49%となっています(2010年国民生活時間調査報告書:NHK放送文化研究所調べ)。
60代以上の高齢者層は、若年層と比べて貯蓄があり、消費意欲が高いとも言われます。また、新聞を毎日読む習慣が根強い層でもあり、まだまだ携帯電話やインターネットという新しいメディアに慣れていない層でもあります。特に単品リピート通販では、この年齢層をターゲットとした健康食品や化粧品が多いため、新聞折込チラシは非常に相性の良い媒体なのです。
また、チラシメディアの拡大性について触れておくと、全国の新聞の発行部数は朝日新聞で1日朝刊796万部、夕刊312万部、読売新聞で約985万部もあります(新聞広告データアーカイブより)。その他の地方紙や同封同梱広告と言われるカタログや会報誌などに一緒に封入して同送する媒体を併せると、さらなる拡大が見込めます。大きく売り上げを伸ばしたい通信販売企業にとって、反応率の高いチラシ製作と、拡大性の高いチラシ媒体の攻略は不可欠なのです。
目次
第1章 初級編(1) 通販ビジネスの全体像を知る
[1.1] 通販ビジネスモデルへの理解が必要な理由
[1.2] 通信販売と店舗販売の違いとは
[1.3] 通信販売のビジネスモデル
- 「単品売り切り通販」
- 「カタログ通販・ネットモール」
- 「単品リピート通販」
[1.4] 単品リピート通販の収益モデル
- 「新規顧客獲得」と「リピート顧客の離脱防止・売上増加」
- 収益シミュレーション
[1.5] よく使う通販マーケティング用語
- 第1章のまとめ
第2章 初級編(2) 通販に学ぶ「新規顧客獲得」と「リピート顧客の離脱防止」
[2.1] 「新規顧客獲得」の3つのポイント
- 商品力
- クリエイティブ(チラシや掲載原稿、バナーやLPなど)
媒体(折込など広告を出す場所)
- ターゲットの占有率/媒体の拡大性/LTV(障害顧客価値)/なぜ今、チラシ媒体なのか/「媒体の疲弊」について
- (コラム)「同封同梱」とは何か
[2.2] 「新規顧客獲得」の決め手を握る「初回購入特典」とは?
- 無料特典のメリットと特徴
- トライアル特典のメリットと特徴
- 本商品売り特典のメリットと特徴
[2.3] 初回購入特典と引き上げ施策の連動
- 引き上げ施策に欠かせない「テレマーケティング」
- 例で見る!初回購入特典と引き上げ施策の連動
- 例(1)無料・低価格サンプルから本商品への引き上げ/例(2)無料サンプルから定期コースへの引き上げ/例(3)まとめ買い/例(4)トライアルセット/例(5)トライアル商品/例(6)トライアル商品プレゼント/例(7)初回割引×プレゼント×個数限定
[2.4] 新規顧客をリピート顧客へと育てる「離脱防止施策」
- 離脱防止施策の目的
- テレマーケティングの果たす役割と特徴
- (コラム)アウトバウンドのゴールデンタイムと曜日は?
- ダイレクトメールの果たす役割と特徴
- 「引き上げ施策のダイレクトメール」で必要になる要素
- 商品同梱ツールの果たす役割と特徴
- (1)商品の特徴を繰り返し伝える/(2)商品の飲み方、使い方/(3)体験者の声やQ&Aを使って疑問を解消する
- 離脱防止施策のまとめ
- 第2章のまとめ
第3章 中級編 売上を上げるチラシ紙面のつくり方
[3.1] 通販チラシとはどのようなものなのか?
- レスポンス広告=消費者からの直接の反応を目的とする広告
- 「間接的に購買につなげる広告」と「通販広告」の消費者心理の違い
- 「消費者に行動を起こさせる広告」がつくれるか
[3.2] 通販チラシを作るための事前準備
- 事前準備(1)商品特性を知る、調べる
- 事前準備(2)競合商品を調べる
- 事前準備(3)消費者について知る
- 事前準備(4)訴求を考える
- 事前準備(5)「売れる訴求」に絞り込む
[3.3] 訴求を紙面に反映する
- 消費者に反応してもらうための「説得の流れ」
- 「キャッチコピー」で何を伝えるか
- (1)ターゲットを明確にするキャッチコピー/(2)商品の優位性を伝えるキャッチコピー/(3)商品のベネフィットを伝えるキャッチコピー
- 「ビジュアル」の選び方
- (コラム)トーン&マナーについて
- 注文の後押しをする「信頼コンテンツ」
- (1)愛用者の体験談/(2)Q&A/(3)販売企業の信頼性/(4)開発者や代表者など販売関係者のコメント/(5)第三者である専門家のコメント
- 紙面構成を考える
- チラシ表面の構成
- チラシ裏面の構成
- 第3章のまとめ
第4章 上級編 クリエイティブテストの方法
[4.1] クリエイティブテストとは何か
[4.2] クリエイティブテストはなぜ必要なのか
- クリエイティブテスト実施による売上げ変化シュミレーション
[4.3] クリエイティブテストの方法
- ステップ(1):複数の広告紙面を用意する
- ステップ(2):実際の広告媒体で広告を実施する
- ステップ(3):それぞれの広告紙面の反応(レスポンス件数)を確認する
- ステップ(4):2回目のクリエイティブテストに向けて、再び広告紙面をつくる
- ステップ(5):再び広告を実施し、広告紙面別の反応(レスポンス件数)を確認する
[4.4] クリエイティブテストを行なう上での注意点
- 初回は4つのテストパターンを違う広告紙面にすべき
- 裏面の紙面構成は4つとも同じパターンが基本
- 「訴求」のテストで注意すべきはキャッチコピー
[4.5] レスポンスを正確に計測するための工夫
- コードをわかりやすく入れておく
- (コラム)チラシから検索ワード、QRコードのレスポンスの測り方
- 「スプリット・ラン」を活用する
[4.6] レスポンス改善のヒントを探る
- 初回テストは目標値80%達成が目安
- 初回のクリエイティブテストが目標に届かなかった場合
- 2回目以降、改善点を探るための2つのヒント
- ハガキアンケート、電話ヒアリングでレスポンスが伸びた!
[4.7] チラシで行なうクリエイティブテストの費用と期間
- クリエイティブテストにかかる費用
- クリエイティブテストにかかる期間
- レスポンス率(反応率)の計測期間について
- フリーペーパーなどの掲載媒体を使ったクリエイティブテスト
[4.8] 目標達成チラシが完成したら
- 目標達成チラシを使った「媒体」のテスト
- 「広告紙面(クリエイティブ)の疲弊」とは?
- 第4章のまとめ
第5章 応用編 明日から使える反響アップの仕掛け
[5.1] ハガキあり、ハガキなし、どっちが有効!?
[5.2] ハガキのミシン目を入れると○%反響アップ
[5.3] 紙面の大きさ、紙の厚さ(斤量)は、レスポンスに関係する?
[5.4] キャッチコピーを大きくしただけで!
[5.5] 初回購入特典(オファー)は目立たせるべき?
- (コラム)サンプルを付けると費用対効果が上がる?
- 第5の章まとめ
[6.1] クリエイティブテストの事例を見る前に
[6.2] 事例(1)栄養サプリメント A社
- 初回のテスト:訴求のテスト
- 2回目のテスト:「ターゲット」のテスト
- 3回目のテスト:「説得要素」のテスト
[6.3] 事例(2)ファンデーション付化粧品トライアルセット T社
- 初回のテスト:「ビジュアル」のテスト
- 2回目のテスト:「キャッチコピー」のテスト
- 第6章のまとめ
- おわりに
木村真子(著)
東洋経済新報社