ドリルを売るには穴を売れ・誰でも「売れる人」になるマーケティング入門
佐藤 義典(著・監修)
青春出版社
本の詳細
「そう言えば最近野菜不足だなあ……」と思ったあなたは、まず何をするのだろうか? 多分、コンビニかスーパーで野菜ジュースを買うか、ビタミンなどのサプリメントを買うのではないだろうか? そう考えたあなたは、すでにマーケティングに影響を受けている。
なぜなら、「野菜不足」に対する論理的・直接的な解決策は、「野菜を食べること」なので、八百屋やスーパーの青果コーナーに行くはずだ。
そうではなく、あなたが野菜ジュースやサプリメントを買うと最初に発想した場合、野菜ジュースメーカーや栄養食品メーカーのマーケティングが成功しているのだ。
ベネフィットとは、「顧客にとっての価値」だ。あなたが工具のドリルを売っているとする。あなたにとっての売り物はドリルだが、顧客にとっては、ドリル自体ではなくドリルが開ける「穴」に価値があるのだ。この「穴」がベネフィットということになる。
顧客は「ドリル」を買っているわけではなく、「穴を開ける道具」を買っているのであり、あなたはドリルではなく「穴を開ける道具」を売っている。
これは、買い手にとっては当たり前のことだが、ほとんどの人は売り手になった瞬間に忘れてしまう。マーケティングに特殊な理論は存在しない。あなたが買い手であるときにはすべて知っていることであり、その当たり前のことを体系化したのが「マーケティング」なのだ。
「お客さまはモノではなく価値を買っている」と著者は語ります。
本書では「価値」から発想して
- 「ベネフィット」あなたは何を売っているのか
- 「ターゲティング」誰に売っているのか
- 「差別化」あなたの商品でなければならない理由はなにか
- 「4P」その価値をどうやって届けるのか
4つの理論で戦略を組み立てます。
解説と平行して「新人マーケッターが、閉店寸前のレストランを復活させるサブストーリー」を展開。物語として読んでいくうちに、解説の内容がしっかり実感できるようになっています。
モノを売るすべての人に向けたマーケティングの入門書です。
目次
はじめに
序章 “マーケティング脳”を鍛える
マーケティングは身の回りでおこっている
「買い手」の反対側には必ず「売り手」がいる
マーケティング脳とは何か?
知っておくべきたった4つの理論
サブストーリー:プロローグ – 宣言
第1章 あなたは何を売っているのか? ― ベネフィット
顧客にとっての「価値」から考える
価値の不等号を維持する
「マーケティング部」だけがマーケティングをするわけではない
顧客にとっての価値 = ベネフィット
機能的ベネフィットと情緒的ベネフィット
売れている商品は価値が高い
価値の源は人間の3大欲求
顧客は「欲求充足」を買う
サブストーリー:Part1 – 屈辱
第2章 誰があなたの商品を買ってくれるのか? ― セグメンテーションとターゲット
分けてから狙う、狙うために分ける
欲求は人によって違う
どのように顧客を分ければいいのか
心理的セグメンテーションとは
ベネフィットで分けるセグメーション
ふたつのセグメンテーションをつなげる
「狙う」こととは「絞る」こと
絞らなければ誰にも売れない
サブストーリー:Part2 – 奮闘
第3章 あなたの商品でなければならない理由をつくる ― 差別化
顧客に業界の垣根はない
競合より高い価値を提供すること
3つの差別化戦略とは何か?
差別化軸は必ずどれかに絞る
ターゲット顧客と差別化軸は運動する
サブストーリー:Part3 – 希望
第4章 どのように価値を届けるか? ― 4P
4Pとはいったい何か?
野菜ジュースで考える4P
1 どんな価値を売るのか? – 製品・サービス(Product)
製品・サービスがどんな価値を実現するか考える
2 価値を伝えて買ってもらうための方策 – 広告・催促(Promotion)
広告で差別化ポイントを訴える
販促とは購買を促進する仕組み
3 どこで買ってもらうか – 販路・チャネル
4 どれだけの対価を受け取るか – 価格(Price)
4Pの一貫性が重要
差別化戦略と4Pはどう関係するか?
サブストーリー:Part4 – 確信
第5章 強い戦略は美しい
東京ディズニーリゾートの収益モデル
4Pから見る東京ディズニーリゾート
どのように対価を受け取っているのか?
重要なのは戦略の流れるような美しさ
サブストーリー:Part5 – 決着
おわりに
ドリルを売るには穴を売れ・誰でも「売れる人」になるマーケティング入門
佐藤 義典(著・監修)
青春出版社