やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力

やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力
やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力
迫俊亮(著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本の詳細

あるとき、その理由を社員に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「だって、たいした研修もないのに、いきなり本社から新しい修理ツールやマニュアルが送られてきたりするんですよ。どうやって既存のサービスと両立して回していくか実際にやってみながら試すしかなくて、毎回大混乱でした。研修もサポートもないくせに、クレームが出ると現場は評価を下げられる。そんなやり方にみんな反発していたから、お客さんに勧めもしなかったし、オーダーされても『高いし時間がかかりますよ』『壊れるかもしれませんよ』とやんわり断っていました』

職人は、ただいらっしゃったお客様にメニューどおりの対応をするわけではない。靴は一足ずつ違うものだし、イレギュラーなケースも多い。ときには愛する人の形見を持ってくるお客様もいらっしゃる。メニューどおりでは対応できないモノもある。そんなときにどんな提案をするか、どれだけお客様のことを思えるか、一人ひとりの職人に委ねられている。ミスターミニットの現場は、会社のすべてなのだ。

営業本部長になった僕の頭にまず浮かんだのは、信頼できる「現場のリーダー」を立てることだった。なにしろ、当時、部長職以上に現場出身者はなんと「ゼロ」。経営と現場をつないでくれるパイプ役が早急に必要だったため、東日本の運営部長(東日本のエリアマネジャーを統括する役職。西日本にも一人いる)として、現場から一人引き上げることに決めた。

とはいえ、現場を知らない僕は、誰を部長にすべきなのかもわからない。「結局現場のことをいちばん知っているのは現場の人間だろう」と考え、どのエリアマネジャーを運営部長にしたいか、誰だったらついていきたいか、当のエリアマネジャー8人全員にヒアリングした。


目次


はじめに
 どんな会社も、現場次第で必ず変われる
 ミスターミニットという会社
 なぜ、29歳の僕が社長になったのか
 「つくる」リーダーシップより「つくり直す」リーダーシップを

CHAPTER 1 「10年連続右肩下がり」の会社では何が起こっていたのか?

腐っていた経営と現場の「配管」
 本社から次々に飛ぶ「現場感ゼロ」の指示
 「上に何を言っても無駄」というあきらめと無力感
 新サービスは40年間成功ゼロ
 経営サイドの無自覚な「現場軽視」がもたらしたもの
 押さえつけられていた現場の可能性
 うまく機能しない組織がハマる3つの罠(わな)
 「現場と経営の三角形」をひっくり返す

CHAPTER 2 信頼度ゼロからでもリーダーシップを築く方法

リーダーとは、フォロワーがいる存在である
 戦略より仕組みより大切なもの
 リーダーが「正論」を封印すべき理由
 なぜ、会社を去った職人が50人以上戻ってきたのか?
 「100%の敬意」を言動に宿らせる
 部下の短所は、直さず「補う」
 リーダーから先に部下のリクエストを聞く
距離を縮め、心をつかむ「伝え方」
 ささやかなコミュニケーションのチャンスを見逃さない
 「タブーの壁」はリーダーから壊す
 いいコミュニケーションは会議室の「外」で生まれる
 部下と「駆け引き」してはいけない
 コミュニケーションのPDCAを回す
 「好き」は社員との共通言語になる
「リーダー性」は、育てることができる
 「誰にも頼らず頑張った」は最悪のリーダーシップ
 仕事を手放すことがリーダーの仕事
 「コミットメント」が人を動かす
 リーダーに「自意識」はいらない

CHAPTER 3 やる気と向上心を引き出す「人事」をつくる

問題は「人」ではなく「仕組み」にある
 感情的にならないリーダーと社会学の意外な関係
 「マイナス要素の修正」と「プラス要素の追加」を両輪で回す
まずは「大きな石」を取り除く
 仕組みのつくり直しは、土壌づくりから
 一見合理的なKPIに要注意
 お客様と同じように社員をフォローできているか?
 採用と抜擢は現場への「ラブレター」
人事にこそ「選択と集中」を
 人事は会社のガソリンである
 あえて評価に「ざっくり感」を持たせる
本当に大切なのは、人事の「後」何をするか
 意識的に「スター社員」を生み出す
 抜擢後の活躍を支える「CARE」とは?
 「聞く面接」より「語る面接」

CHAPTER 4 社員の能力を100%引き出す「組織・インセンティブ・会議」をつくる

リーダーが次々に生まれる組織をつくる
 権限委譲でつまずくふたつのパターン
 「小さな三角形」を無数につくる
 「リーダーとの二人三脚」でこそ、人は育つ
 「うまく失敗させる」のもリーダーの役割
 まず最小単位で理想のチームをつくる
 賃金総額は本社部門が半分に、現場のリーダーは3倍に
現場が盛り上がるインセンティブを設定する
 「自分が決めた」という実感がモチベーションを高める
 現場が決め、現場が配るふたつのインセンティブ
「いい会議」が「いい組織」をつくる
 その会議は「誰」に最適化されているのか?
 いい会議に資料はいらない
 会議を活用して社員の「目線」を上げる
 議事録は現場とのコミュニケーションツール
 組織の「病気」を防ぐための健康診断とは?
 組織のキャパシティを超えた「根性論」は排除する
 だから、「Google本」は役に立たない

CHAPTER 5 人を動かし、未来を紡ぐ「ビジョン」をつくる

ビジョンなくして戦略なし
 課題解決ではなく「課題変革」がリーダーの仕事
ビジョン=「らしさ」X「時代」X「経済性」
 ビジョンとは「どの山を登るか」を決めること
 「ふつうの会社」は一点突破で圧倒する
 「らしさ」を無視したビジョンは機能しない
 新サービスを成功に導く4つのポイント
 大きな挑戦は成功体験を積み重ねてから
 「これからどんな時代になるか?」の答えが仮説をつくる
ビジョンを活かすために、リーダーが心がけるべきこと
 現場と共に見つけたビジョン、「世界ナンバーワンの『サービスのコンビニ』」
 戦略に必要な「大股(おお また)の一歩」
 ときには目先のメリットをあえて見送る
ビジョンを単なる「お題目」にしない方法
 ビジョンを浸透させる3つのステップ
 ビジョンとはリーダーが掲げる「団旗」である

おわりに
 すべての人と会社の可能性が100%発揮される日を目指して


やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力
やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力
迫俊亮(著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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