サーバントであれ ―― 奉仕して導く、リーダーの生き方

サーバントであれ ―― 奉仕して導く、リーダーの生き方

サーバントであれ ―― 奉仕して導く、リーダーの生き方

ロバート・K・グリーンリーフ(著) 野津智子(翻訳)
英治出版

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本の詳細

「サーバント」と「リーダー」はふつう、対極にある言葉だとおもわれている。対極にある二つのものが建設的かつ有意義に一つに合わさると、逆説が生じる。つまり「サーバントリーダーシップ」は、「サーバント」と「リーダー」という二つの言葉が合わさって生まれた、逆説的な考えなのである。

サーバントであれ ―― 奉仕して導く、リーダーの生き方/ロバート・K・グリーンリーフ(著) 野津智子(翻訳) 英治出版より

もっとも、その考えを具体的にしたのは、1960年代にヘルマン・ヘッセの短編『東方巡礼』 — スピリチュアルな探究を続ける人々が巡礼の旅をする物語 — を読んだことだった。

物語の中心人物であるレーオは、召使い(サーバント)として一行とともに旅をし、心を砕いて一行に仕える。旅は滞りなく続くが、ある日レーオがいなくなると、たちどころに一行は混乱状態に陥り、旅は頓挫していまう。そして、召使い(サーバント)のレーオがいなければ旅ができないことに、一行は気づく。何年も何年も捜したのちに、一行の一人でもある物語の語り手は不意にレーオに再開し、そもそもの旅の主催者である修道会へ連れていかれる。そして、召使い(サーバント)だと思われていたレーオが実は、修道会のリーダーであることを知る。

最初の小論『リーダーとしてのサーバント』は、学生の姿勢に対する懸念から、書かずにいられなかった。当時の(いや、見方によっては今も)学生は、希望をあまり持っていないように見えたのだ。思うに、ありのままの世界 — 貪欲で暴力的で不公平でありながら同時に美しく思いやりがあり支え合っている世界 — で豊かに生きることは可能だと受け容れない限り、人間は希望を持てないのではないだろうか。私は、人生の健全さと全体性(ホールネス)の両方にとって、そうした希望が不可欠だと考えている。

個人が自在に、ひらめいたり創意に富むアイデアを思いついたりするのに必要な励ましや支援は多くの場合、集団がいくつも集まる環境でこそもたらされる。「集団精神」というものは存在しないかもしれないが(ひらめきや創意に富むアイデアという贈り物はおそらく個人にしか与えられない)、コミュニティとしての集団によってもたらされる創造性を個人が実現しやすい環境は明らかに存在するのである。大規模であるがゆえにしっかり守られている場で小さなコミュニティを数多くつくること、おそらくはそれが大組織でシナジーを実現する秘訣なのだ。

 
読んでおきたいコールセンター参考書リーダーのための参考書

目次

はじめに(編集者 ラリー・スピアーズ)

第1章 サーバント
第2章 教育と成熟
第3章 リーダーシップの危機
第4章 夢を先延ばししていないか
第5章 老後について ―― 魂(スピリット)が試される究極の場

 
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