橋本 和恵(著)
大和書房
本の詳細
私は「どんな商品でも、どんな場所でもドンドン売れるカリスマ販売員」と呼ばれています。経歴や肩書きだけ見ると、最初から売れる才能を持っていたのではないか、と勘違いされがちですが、そうではありません。
私はもともと陶芸家でした。
なぜ陶芸家を目指したのか?答えは簡単です。人としゃべらずに仕事ができるからです。その頃は極度に人が苦手で、コミュニケーション下手でした。
ところが、陶芸の窯を買うために効率よく稼げるアルバイトを探していたところ、たまたま採用されたのが、販売のプロを派遣する会社だったのです。
技術を磨くために、私は現場で500回にも及ぶ店頭実験をしました。「どうして、売れる人と売れない人がいるのか?」を知るためです。
販売員の性格や人柄、笑顔といったあやふやな条件ではなく、具体的にどの位置からアプローチを掛けたら売れるのか、声のトーンはどのくらいがよいのか、クロージングのときはどこを見るべきか、髪の毛を何色にしたら売れるのかなど、さまざまな実験を繰り返しました。
髪の毛は赤から緑、紫まで美容室にあるものを全色試しました。金髪にしたときには、お客様どころか店員にすら声を掛けてもらえず大失敗でした。
洋服の色も変えたことがあります。ベージュ、黄緑、青、オレンジ、赤、緑、紫 ……と
着ているシャツの色を変えてみたところ、黒はプロっぽく見えて専門性は出るものの、お客様の心が開かないため、売上増に結びつけるのが難しいということがわかりました。桜色を着ているときが一番お客様の反応がよかったです。
このように500回中350回は失敗に終わり、「何やってるの?」とバカにされました。しかし150回は成功し、それらのノウハウを使えば何でも売れることがわかったのです。
販売の壁に多くの人が挫折してしまうのには、理由があります。
職場で教えられるのは、商品知識が中心。商品を売るために必要な具体的なノウハウは、誰も教えてくれないからなのです。
なぜそうなってしまうのでしょうか。それは、商品知識さえ身につければ、売れると思っている先輩販売員や会社が多いからです。そのため、売れない販売員の多くは「自分には売る才能がないから売れない」と勘違いをしています。
「販売は才能ではありません。技術です」と著者は語ります。
様々なメーカーにて驚異的な売上を記録する「なんでも売れるカリスマ販売員」橋本和恵さんが、500回に及ぶ「現場実験」から編み出した法則集。誰でも売れるようになる具体的ノウハウを惜しみなく大公開しています。
- 売れる考え方
- 観察力
- アプローチ力
- 商品説明力
- クロージング力
- リピーター力
売れる販売員なら誰でも持っている「売れる考え方」から、お客様に逃げられないための「アプローチ力」など、誰でも売れるようになる技術「6つの力」の習得法を分かりやすく実践的に解説しています。
目次
プロローグ 販売力は才能ではなく、技術です。
陶芸家だった私がカリスマ販売員になれた理由
500回に及ぶ店頭販売実験から得たもの
誰でも売れるようになる「6つの力」
あなたの販売力をチェックしましょう
「経験が長いのに売れない販売員」にならないために
第1章 売れる販売員
売れる考え方の法則
[商品を売るのではなく、商品の価値を伝える!]
法則1 販売員は商品の最終ランナーである
法則2 売ろうとせず、商品を伝える
法則3 商品の価値は、商品の知識ではない
法則4 販売に自分の「価値観」を入れてはいけない
法則5 販売は実験。やればやるだけ成功体験が増える
法則6 「なぜ売れないか」を考えるクセをつける
法則7 スランプのときこそ「販売が好き」と宣言する
コラム1 自分のセールストークを録音しよう
第2章 売れる販売員
観察の法則
[お客様と話して三流 質問して二流 観察して一流]
法則1 観察力をつければ、見るだけで「買う人」がわかる
法則2 お金持ちは歩き方が違う
法則3 カゴ、体型、洋服に注目する
法則4 買物袋をたくさん持っているお客さまは、買う気マンマン
法則5 ヒールの高さは美的センスの高さ
法則6 肌の色でお客様の趣味がわかる
法則7 お財布を握っている人が店外にいる場合もある
コラム2 プロ販売員の4要素とは?
第3章 売れる販売員
アプローチ(声掛け)の法則
[プロはお客様に逃げられない!]
問題 なぜ、お客様に逃げられてしまうのか?
法則1 後ろ向きで動きながら待機する
法則2 3m以上離れ、90度のお辞儀でお出迎え
法則3 5歩後ずさりし、近づくときはカニ歩き
法則4 2m手前で立ち止まり、お客様の反応を見る
法則5 お客様の縄張りを意識せよ
法則6 声掛けのテッパンは「挨拶+3秒笑顔」
法則7 何の反応もないお客様には、いったん距離を置く
法則8 話す速度は、お客様の「歩く速度」に合わせる
法則9 腰を低くしてのアプローチが売れる確率を高める
コラム3 「体のどこが疲れるか」で販売のレベルがわかる
第4章 売れる販売員
商品説明の法則
[プロは商品の説明だけをしていない!]
法則1 いきなり商品の話をしない
法則2 最初の一言は、質問で始める
法則3 気になったことはツッコむ
法則4 お客様の「立場」に注意して説明する
法則5 商品説明は「ツカミ」から入る
法則6 「ツカミ」は30字で表現する
法則7 商品説明には「数字」を入れる
法則8 お笑い芸人を参考に「擬声語」を使う
法則9 「ビフォー&アフター」で変化の大きさを伝える
法則10 男性と女性で説明方法を変える
コラム4 関西のおばちゃんは、販売員の教師だ!
第5章 売れる販売員
クロージングの法則
[売れる販売員はクロージングが大好きである]
法則1 自分とお客様のお財布は分けて考える
法則2 売れなくても、自分を責めない
法則3 お客様の即決金額がわかる「申告額÷2+α」
法則4 「感情」と「理性」の壁を越える
法則5 「喜怒哀楽クロージング」でお客様の心をとらえる
法則6 値段で迷われるお客様には、「価格の理由」を説明する
法則7 断り文句はお客様の「悩み」。一緒に解決して差し上げる
コラム5 感謝の心をわすれないようにしよう!
第6章 売れる販売員
リピーター獲得の法則
[接客とは自分のお客様をつくること]
法則1 リピーターがいれば、お店の売上が安定する
法則2 お客様の「ニーズ」ではなく、「ウォンツ」を見つける
法則3 お客様の悩みは2回繰り返す
法則4 セールストークは通販番組で勉強しておく
法則5 相づち上手はリピーターが増えやすい
法則6 財布は一度閉じると、二度と開かない
エピローグ 売れる力をつければ、一生食べていける
橋本 和恵(著)
大和書房