株式会社スタディスト 庄司啓太郎(著)
日経BP社
本の詳細
「誰も生産性を下げようとは思っていない」、「どの仕事も必要だから行われている」ということである。特に業務の生産性向上に真剣に取り組んでいる方々であればなおのこと、常日頃から効率性を意識しているはずである。
- 誰も生産性を下げようとは思っていない
- どの仕事も必要性があって行われている
- それでもムダな仕事が生まれている
例えば、「営業の成約率を高める」という至極まっとうな目的を設定したとする。そのための施策は数々考えられるはずなのに、(極端な例ではあるが)「名刺交換で感動させる」というような施策を立て、「毎日お客様一人ひとりに対してオリジナルの手書き名刺を作って渡す」という非合理的な手段を講じたとする。
ここまで極端であれば「それはムダかもしれない」とすぐに気がつくだろう。だが、現実的には程度の差こそあれ合理的に見える部分があり、ムダかムダでないかを明確に見分けるのは難しい。
つまり「ムダ」というのは、「何をやるのか(What)」の施策設定や、「どうやるのか(How)」の手段の最適化が”イマイチ”な状態であり、そもそも「なぜやるのか(Why)」の目的設定自体が的外れなことはあまりない。だからこそ、「自分のやっていることはムダではない=目的や狙いがあってやっている」という感情を抱くのである。
このようにムダの正体を、「何をやるのか(What)」「どうやるのか(How)」のズレであると認識すると、あとはそのズレを修正し、業務を合理化なものに最適化すればよいことになる。
目次
はじめに
[第1章]「働き方改革」の理想と現実
- 「働きやすさ」と「生産性向上」
- 変えたくても変えられない理由
[第2章] 生産性とは何か
- 「生産性向上の空回り」が起こる理由
- 自動化・機械化の流れは止められない
[第3章] 業務の「仕組み化」とは
- 仕組み化の四つのステップ
- ベストな「半自動」の状態を見極める
- 業務タイプの三つの分類
- ABCの構成比はどこの企業でも同じ?
- 仕組み化で得られるメリット
[第4章] 仕組み化の実践:見える化
- 業務の実態をつかむための三つの手法
- 業務の項目を整理する「ワークショップ」進行の手順
【ワークショップ進行の10のステップ】
[第5章] 仕組み化の実践:標準化とマニュアル化
- 「標準化すべき領域」と「標準化すべきではない領域」
- 三つの側面で標準化を進める
- 再現性を持たせるためのマニュアル化
- マニュアルが抱える四つの壁
- 業務伝達の最適な手段は
- 「マニュアル人間になってしまう」は本当か
- 「作って終わり」にしない、マニュアル化推進チェックリスト
クラウド型マニュアル作成・共有プラットフォーム
「Teachme Biz」の開発に込めた思い
[第6章] 仕組み化の実践:ツール化と事例
- どのような業務がツール化に適しているか
- そもそも何をツールに任せるか
- 重要なのは「つながり」と「オフライン」
- コストとセキュリティの観点からの「落としどころ」を見極める
仕組み化の実践例:ジェイアール東日本フードビジネス
仕組み化の実践例:富士薬品
おわりに
株式会社スタディスト 庄司啓太郎(著)
日経BP社