世界で一番やさしい会議の教科書

世界で一番やさしい会議の教科書

世界で一番やさしい会議の教科書

榊巻亮(著)
日経BP社

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本の詳細

「三万時間」
‥‥あなたが一生涯で会議に費やす時間だ。
この途方もない時間、想像してみたことはあるだろうか? 一日十時間活動できるとして、約八年分になる。大事なことなのでもう一度言う。”貴重な人生の時間を、八年分も会議に捧げる”ことになる。

お昼休み明けの会議室 ーー。

小さな会議室にはテーブルを囲んで六人の男が座っている。ほとんどのメンバーが黙っているなか、一人うとうととしゃべっている男がいる。課長だ。書類に目を落として、下を向いたまま、まるで朗読だ。(ああ、お昼後のこの時間にはつらい‥‥。眠い‥‥。)ふと横を見ると、三つ上の先輩はノートパソコンを見て、眉間にシワを寄せている。一見会議に集中しているように見えるが、全く別のことをやっている‥‥。(内職か‥‥。おれもパソコン持ってくればよかった)と、ふと前を見ると、別の先輩が課長に気づかれない角度で寝ている。(う、うまい! あの技、俺も身につけたいなぁ‥‥)と思ったその時、「じゃあ、今日はここまでだな」と課長の声が。どうやら終わったらしい‥‥。やれやれ、やっと仕事に戻れるーー。

こんな会議に覚えはないだろうか? 三万時間、八年もの間、こんな会議を続けることになるわけだ。この絶望的な事実に、多くのビジネスパーソンは気付いていない。

「ケンブリッジの支援で感じたことは、ファシリテーションは魔法ではないということだ。会議をうまく仕切る人がいても、そういう人には持って生まれた素質とか経験があるのだと思っていた。ケンブリッジを見て、ファシリテーションの技術を学べば、誰でも会議を”ファシれる”ということが分かった。我々は、上手なやり方や始め方を知らなかっただけなのだ」

この方の言う通り、会議に高いスキルや才能は必要ない。必要なのは”お手本”とちょっとした”始め方のコツ”なのだ。世の中にはこれが決定的に不足している。逆に言えば、これさえそろえば会議は変わる。確実に。

目次

はじめに

第1章 初めてのダメ会議
入社2年目にして、初めて課の定例会議に参加した葵はそのグダグダっぷりに衝撃を受ける。さらに「生涯会議時間」を計算してみたところ、驚きの数字が!

第2章 確認するファシリテーションを始める
ダメ会議を愚痴る葵に、コンサルタントである父は「なら、変えよう!」と提案し、ファシリテーションを教えようとする。尻込みする葵に父が教えたのは、会議を変える「魔法の一言」だった。

第3章 書くファシリテーションを始める
ファシリテーションの第一歩を踏み出した葵だが、参加者が好き勝手に自分の意見をしゃべり、かみ合わない会議を仕切れず落ち込む。そこで父は、ホワイトボードに書いて意見を整理する手法を伝授する。

第4章 隠れないファシリテーションを始める
突如葵たちを襲う「部署解体」の危機! 課題解決会議を開くも、参加者の意図や思いがすれ違い、一向に前に進まない。前に出て会議を「仕切る」スキルが必要だと考えた父は、葵と片澤を自分の会社に招く。そこで葵が見たものは…。

第5章 Prepするファシリテーションを始める
父の会社の会議で準備の必要性を痛感した葵と片澤は、八つのステップで進行を考える手法を学ぶ。そしていよいよ、部署存続をかけた課題解決会議の当日。葵はファシリテーターとして会議を仕切れるのか。

エピローグ 2つの転機
大仕事を終え、新たな道を歩み出す顧客サポート課のメンバー。葵、片澤、幸田の次なる挑戦とは。

あとがき

 
世界で一番やさしい会議の教科書

世界で一番やさしい会議の教科書

榊巻亮(著)
日経BP社

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