川原 慎也(著)
すばる舎
本の詳細
マネジメントの手法の一つに、
この本のテーマである「PDCA」サイクルがあります。Plan(計画を立てる)→ Do(実行する)
→ Che(実行した結果を評価する)
→ Action(うまくいっていないところを改善する)というサイクルを回していくことで、
これまで以上の成果を出すことができるという考え方です。
「計画を立てて、実行して、それを振り返って、もっと上手なやり方をする」
「なんだ、当たり前じゃないか」
と思ったかもしれませんが、
それで良いのです。新しい考え方ではありません。
しかし、注意は必要です。
この極めて当たり前の考え方が、
長い間廃れることなく
言われ続けているのには理由があるはずです。それは何でしょうか。
当たり前だと感じたことからもわかるように、
かなり的を射た(=本質的な)考え方だ
ということがありますが、一方で、当たり前にも関わらず、
使いこなせているリーダーがほとんどいない、
という実態があるからなのです。
一見すると
当たり前のように感じる「PDCAサイクル」。
なかなか実行できず
結果が出ないと
頭を悩ませているリーダーの方も
多いのではないでしょうか?
本書では、PDCAの実行を妨げる原因について
徹底的に分析。
目標を完遂するための
リアルに役立つ様々なコツを
わかりやすく解説しています。
目次
はじめに
第1章 なぜPDCAが回らないのか?
・当たり前のことが、当たり前にできない!?
チームで成果を出すにはマネジメントスキルが必須
マネジメントに役立つPDCA
1 全ての原因は「計画のダメさ」にアリ
PDCAが実践できない理由
なぜ偽物の計画になってしまうのか
2 Pを邪魔する”成果主義”という名のモンスター
人は評価されるように動く
自分の評価にならないなら、手を貸したくない
3 停滞するリーダー・成長するリーダーの違い
一番の差は考え方
大きな目標を見つめながら、小さな目標を指示できるか
4 目標と目的を混同していませんか?
目標と目的は全くの別物
事例(1)なぜ、なでしこたちは頑張れるのか
目的とは、ずっと追いかけ続けるもの
5 メンバーとのコミュニケーションを軽視してはいけない
目的・目標を共有できている組織は強い
説得や押しつけでは人は動いてくれない
6 会社のビジョンは「腹落ち」するまで理解しているか
自社のビジネスの目的を考えてみる
ビジョンにたどり着くまでのプロセスこそが重要
7 「鷹の目」と「蟻の目」の意識不足
経営者目線と現場目線のバランス
問題の本質が見えてくる
8 自社の戦略意図に基づいた指示を出そう
適材適所でやりくりしていく
9 既存業務の延長では成長が見込めない
「計画のようなもの」でも乗り切れるが….
変化のカギは現場のリーダーに託されている!
10 「諦めなければ成功する」のになぜ実践できないのか
成果が見えないことに挑戦したくないもの
最後に笑うのは、やり続けた人
第2章
・「やらされている」意識が失敗を招く
PDCAを妨げるやっかいな思い込み
1 ”手段の目的化”が計画をダメにする
何のための目標、何のための計画か?
目標を見失ってはならない
2 「お客さまとの約束」でやるべきことは見えてくる
現場ならではの視点で考えよう
期待を上回る仕事をしているか
顧客満足と会社の利益の深いつながり
3 「約束」の有言実行で他社に差がつく
事例(1)顧客満足と会社の利益を両立させるサウスウエスト航空
約束は徹底して実現させるもの
4 ステップ(1)現状の振り返りスタート地点
身の丈にあった計画作り
通常業務がある前提で計画を立てる
5 ステップ(2)正しい事実を把握する
根本の原因を見つける意識を持つ
問題に対して”なぜ”を5回繰り返す
6 ステップ(3)事実を認識するプロセスを欠かさない
問題の捉え方次第で解決策にも深みが出る
正しい事実認識の仕方
7 ステップ(4)計画には「勝てるイメージ」が不可欠
「勝てるイメージ」をつくるプロセス
阻害要因を洗い出す
8 ステップ(5)実行に値する計画か検証する
具体的に何をするのか、順序立ててチェック
チェック地点を設定して成功率アップ
第3章
・「想定外」は起きて当たり前
あり得ないことにも準備はしておく
やるべきことを忘れない
1 ワンランク上を目指すために必要なこと
やってもやらなくても変わらない、からやらない
事例(3)社長自ら率先して実行。社員も本気になった!
2 「やることがありすぎて手が回らない」はホント?
日々の業務があるのは普通のこと
事例(4)誰も手をつけない改善プログラム
3 緊急/重要マトリクスで、業務の仕分け
普段の仕事の棚卸し
何から手をつけるか決める
重要な業務の進め方
4 実行を妨げる人間の三つの特性を理解する
プロジェクトマネジメントに見る問題点
5 「5S」の徹底でチームの実行力アップ
当たり前のことこそ効果的
結果が出るまで徹底する
6 限りある資源は有効活用すべし
マネジメントとは、部下育成
仕事をどんどん任せて育てる
7 チームの”フロー化”でパフォーマンスを最大化する
メンバーの精神状態が成果に影響する
本来の力を発揮するために心を整える
自分の心は自分で整える
第4章
・評価指標は計画段階で決めるべきもの
P→Dで止まってしまうワケ
今ある課題から改善に着手するのが現実的
1 ステップ(1)現状の正しい把握からスタート
何が問題なのか性格に捉える
「自分が理解していること」が絶対ではない
2 ステップ(2)早めのタイミングで改善のための手を打つ
改善はスピード感が重要
成果が出るリーダーは、結果と真剣に向き合う
修正が早ければ早いほど、結果にも反映される
3 ステップ(3)目標にピッタリのKPIを見つけよう
的確な振り返りを行なうためのツール
4 ステップ(4)成果に直結するKPIとは?
数値設定が不可欠
自社のビジネスのキモを押さえる
KPIの数値が上がる=会社の業績アップ
第5章
・改善が実現できるかどうかの分かれ道は”しがらみ”
「本当はもっとこうすればいいのに….」をなくす
事例(5)カルロス・ゴーンが使命を全うできた理由
1 何が改善を妨げているのか、理解しよう
人を縛る四つのしがらみ
2 会議を活用してメンバーを巻き込む!
しがらみ打破のためのコミュニケーション
会議五感
あれこれテーマを詰め込まない
会議とは、理解と納得を得る場
3 形状記憶組織から脱却
長年の習慣を変えるには大きなストレスがかかる
人は早い段階での成果を求めがち
4 チームの基礎力アップで改善スピードがグンと上がる
そもそもの原因はリーダーにあった!
「当たり前」のレベルの違い
5 PDCAは改善で終わりではない
また新たな計画(P)が始まる
より良い未来をつくるには、ひたすら改善あるのみ
川原 慎也(著)
すばる舎