鈴木義幸(監修)コーチ・エィ(著)
日本実業出版社
本の詳細
- コーチングの3原則と、コーチがもつべき3つの視点
- コーチングの基本ステップと、実践的なすすめ方
- 代表的な7つのスキルと、プロコーチによる実践例
- 組織の中でのコーチング活用事例
プロコーチが使う実践的なスキルを、会話例とともに紹介。
「コーチングの基本」を重視し、コーチングの目的・コーチの視点・コーチングのプロセスなど、さまざまな角度から詳細に解説。基本にのっとり、コーチはどのような会話をクライアントと交わし、コーチングを行なうのかがわかるよう事例の紹介に多数のページを割いています。
また、コーチングで使用されるテクニックを整理し、プロのコーチがどのような意図でそれらを使用するのかを解説。概念の紹介やテクニックの使い方に留まらず、コーチングを「体系」として理解し習得できるよう工夫されています。
初めて学ぶ人でも、苦労することなく読み進めることができますが、すでにプロとして活躍するコーチの方が読んでも必ず何らかの気づくことがある、現場のノウハウがつまった内容になっています。
目次
はじめに
第1章 コーチングとは何か
1-1 コーチングとは何か
コーチングは目標達成を目指すもの
- コーチングの定義
- コーチの役割
- コーチングは単なる「技術」ではない
- コーチングの機能と特徴
- 投資効果の高いコーチング
1-2 コーチは目標達成を支援する
コーチングには「目標」が不可欠
- 「傾聴」や「質問」は手段にすぎない
- 目標が明確ではないとき、コーチングはできないのか?
1-3 コーチングにおける「目標」と「目的」
「目標」は「目的」へのマイルストーン
- 目標と目的はなぜ必要なのか?
- 目標と現状の間に成長課題を発見する
- クライアントが成長課題に直面することを支援する
1-4 マネジメントとコーチング
コーチングは管理職の選択肢を増やす
- 管理職にコーチングスキルは本当に必要なのか?
- コーチングはマネジメントの柔軟性を高める
1-5 コーチングが機能する条件
クライアントや部下の状態を見極める
- 誰がコーチングを必要としているのか?
- まずは、相手の精神状態を気にかける
- 相手の成長段階を見極める
- 意欲は高いが、業務適応能力が低い場合
- 業務適応能力は徐々に向上しているが、意欲が低下している場合
- コーチングは緊急事態には不向き
- 成長の過大評価は禁物
- コーチングは使うタイミングがポイント
1-6 コーチングは可能性を探求する
コーチはクライアントの「変化」と「可能性」に着目する
- クライアントの可能性に着目し続ける
- 何を見ようとしているかで何が見えるかが決まる
- 可能性への指摘が成長の資産となる
- 優れたコーチは変化を指摘し、成長を実感させる
1-7 コーチングは成長を探求する
コーチングのゴールは、クライアントの中に「成長のエンジン」をつくること
- 目標達成だけでは十分ではない
- コーチはクライアントの習慣に挑戦する
- クライアントの中に成長のエンジンを築く
1-8 コーチングの実際
(1)セットアップ→(2)実践→(3)振り返り、という流れで行なわれる
- コーチングの開始
- コーチングをプランニングする
- 対話を通じて課題を整理する
- 調査をし、確かめる
- 目的地に辿り着くストーリーを描く
- 目標を達成するための成長課題を明確にする
- 対話を通じて軌道修正、フィードバックを繰り返す
- 目標達成→成長実感→自己効力感というプロセスでもある
第2章 コーチのもつべき視点
2-1 コーチがもつべき3つの視点
クライアントの成長を促進するための「PBPの視点」
- Possession, Behavior, Presenceという3つの視点
- コーチはPBPのうち何がいま必要なのか見極める
2-2 Possessionとは
Possessionとはクライアントが「身につけるべきもの」
- 必要なものを明確にする
- 身につけるPossessionをコーチングで特定する
2-3 Behaviorとは
Behaviorとは「行動を起こすこと」
- 行動を起こすためのコーチの役割
- 行動が起きるまでに存在する4つの壁
- possessionを現状に適応させる
- 利用できるPossessionを見つける
- 宣言することで「現状維持のバイアス」を乗り越える
- 行動をして振り返る
2-4 Presenceとは
Presenceとは「人としてのあり方」
- Presenceは行動を決定する
- Presenceは体験によってつくられる
- Presenceを自覚するのは難しい
- 3つの要素はそれぞれ影響しあっている
第3章 コーチングの3原則
3-1 コーチングの3原則とは
コーチに欠かせない3つの要素
- プロのコーチが備えるべき「心」
- 双方向、継続性、個別対応という3つのマインド
3-2 双方向
双方向の対話で、クライアントの無意識を顕在化させる
- 双方向のつもりの会話と、双方向の会話の違い
- クライアントの自走状態をつくることがコーチの役割
- 双方向の会話で「無意識を顕在化」させる
- たくさんアウトプットをさせることが重要
- オートクラインとパラクライン
- オートクラインを起こすための対話
- 質問でオートクラインを起こす
- 双方向が効果的な質問を生み出す
- オートクラインを起こすために必要な信頼関係
- 信頼関係のつくり方
- 率直に要望して信頼関係を強める
3-3 継続性
継続的に関わることで、クライアントを着実に目標に近づける
- 継続して関わることでビジネス環境の変化に対応する
- クライアントを目標に集中させる
- コーチの役割は「意欲の向上」と「ズレの修正」
- クライアントの意欲を維持向上させるための工夫
- 「所属の欲求」を満たすアクノレッジメント
- 言葉以外でもアクノレッジメントできる
- 「所属の欲求」からのアピールを見逃さない
- 「自我の欲求」を高める方法
- ほめるための3種類のメッセージ
- プロセスの中で、わずかでも成長を伝える
- 軌道修正の一例
- コーチは「フィードバック」で気づかせる
- さらに着実に近づけるための「リクエスト」
- クライアントのことをどれだけしっているかが重要
3-4 個別対応
クライアント一人ひとりに合ったコーチングを行なう
- 個別対応を実行した小出義雄監督
- 個別対応の難しさ
- 個別対応はテクニックを使う前提になる
- テーラーメイド医療のようなコーチングを
- 「タイプ分け」が個別対応するための切り口になる
- コーチは、一度貼ったレッテルを張り替え続ける
- コーチングの3原則は同時に実行されるもの
第4章 コーチング・プロセス
4-1 コーチング・プロセスとは
コーチング・プロセスは目標達成までのコーチングの流れ
- 6つの基本ステップ
- 中でも重要な3つのステップ
4-2 「目標の明確化」のポイント
真に達成したいWant to型の目標を見つけ出す
- コーチングにおける目標の重要性
- 目標設定の難しさ
- 本当に達成したい目標は簡単にはわからない
- 憧れの目標(Hope toの目標)は熱しやすく冷めやすい
- 本気かどうかを確かめる方法
- Have toの目標とWant toの目標の違い
- Have toの目標をWant toの目標に引き寄せるには
- 何のために仕事をするのか?
- 目的の視点から目標を意味づけする
- Want toは探し続けなくてはいけない
- 目標はいつまでに決めなくてはならないか
- Want to目標の手がかりは過去にある
- 業績目標だけではなく成長目標を設定する
- 他者の行動・変化・成長を目標に設定しない
- 目標は継続的にリマインドする
4-3 「現状の明確化」のポイント
4つの視点を使い分ける
- 思い込みで現状を明確化するとどうなるか
- なぜ、現状は思い込みで分析されてしまうのか?
- 映像や音声を活用して自己を客観視させる
- ステークホルダーからのフィードバックで自己を客観視させる
- クライアントを現実の自分と直面させる
- コーチのフィードバックによって自己を客観視させる
- クライアント自身に自己を客観視させる
4-4 「ギャップの原因分析」のポイント
クライアントを「自責」の状態に導く
- 「他責」という落とし穴
- すべての責任を自分に引き寄せて考える「自責」
- クライアントに「自責」の状態を選ばせる方法
第5章 コーチングのスキルと実践例
5-1 コーチングの代表的なスキル
多用される7つのコミュニケーション技術を整理する
- 「聞く(傾聴)」スキル
- 「ペーシング」のスキル
- 「質問」のスキル
- 「承認(アクノレッジメント)」のスキル
- 「フィードバック」のスキル
- 「提案」のスキル
- 「要望(リクエスト)」のスキル
5-2 自動車メーカーのマネージャーのケース
本当の目標を見つけ、コミュニケーション力に優れた管理職に成長
- ケースの概要
- セッションの事前準備
- クライアントとの出会い
- 理想の状態を描く
- エバリューエーションプランの設定から現状認識へ
- 理想と現実のギャップを捉え、行動の方向性を探る
- 行動計画をつくる
- 行動を開始させて、続けさせる
- 成果と成長を確認し、再現性と応用力をつけさせる
5-3 IT関連機器会社の社長のケース
ビジョンの策定・浸透を通して、リーダーシップが大幅にアップ
- プレコーチング
- ビジョンの設定
- 行動の実践
- コーチングの急展開
- エンディング
第6章 組織へのコーチング
- コーチングが組織の課題を解決する
6-1 生産効率が上昇した工場のケース
コミュニケーションの改善により生産効率が14%アップ
- コーチング導入の背景
- 事前のプランニング
- コーチングの実践
- 効果的な3つの試み
- コーチングの成果
6-2 離職率が低下した企業のケース
営業所長をコーチし、若手社員の離職率を大幅に下げる
- コーチング導入の背景
- 組織学習をコーチする際のプログラム設計
- (1)現状把握のフェーズ
- (2)知識・スキル習得のフェーズ
- (3)行動の実践フェーズ
- (4)効果の測定フェーズ
- 組織学習における効果測定の実際
6-3 ビジョン浸透を図った事業部のケース
20名の部長へのビジョン浸透が成功し、行動が大きく変容
- コーチング導入の背景
- プランニング
- コーチングの戦略
- グループコーチングの実践
- コーチングの成果
参考文献
索引
著者一覧
鈴木義幸(監修)コーチ・エィ(著)
日本実業出版社