グロービス経営大学院 (著)
ダイヤモンド社
本の詳細
支配的リーダーの下では、メンバーは表面的には従順に仕事に向かっているようだが、面従腹背になる可能性があり、リーダーの目が届かないところでも同じ姿勢で仕事に向かえるかは疑問が残る。
【新版】グロービスMBAリーダーシップ/グロービス経営大学院 (著) ダイヤモンド社より
リーダーはサーバント(奉仕する人)であり、その時代や局面において、人々が最も求めているものを与えるために尽力する。そのためには、時に方向を指し示して導き、どうすればメンバーが持てる力を十分に発揮できるか考え、そのための環境を整えることが必要となる。
まずは、「奉仕する」気持ちが先に立ち、「そのために導く」という順番で考えるのである。
サーバント・リーダーの下で働くメンバーには、内発的動機による、自発的な行動が見られる。
また、興味深いのは「周囲に役立とうとする姿勢を身につけやすい」という点で、これはメンバー自身も、だれかにとってのサーバントとして奉仕しようとする姿勢が身につくとも解釈される。
つまり、サーバント・リーダーの下には、将来のサーバント・リーダーが育ちやすいといえるのである。
「リーダーシップというものは、人が動いたり動かされたりするメカニズムを単に頭で理解するだけでは十分ではない」と著者は語ります。
複雑な人の心理や行動の科学から「リーダーシップ」を捉え、さまざまな理論(行動理論、状況適合理論、変革のリーダーシップ、サーバント・リーダーシップなどの理論)によって解説。
「理論編」で学んだ考え方から実践に移すコツを模擬授業スタイルで展開しています。
リーダーシップ研究の基本を網羅した決定版です。
読んでおきたいコールセンター参考書|グループマネジメントの参考書|リーダーのための参考書
目次
まえがき
第 Ⅰ 部 理論編
第1章 リーダーシップ理論の変遷
第1章の概要と構成
1-1 リーダーに共通する特性は何か──特性理論
- リーダー研究の主流だった特性理論
- 資質を科学してリーダーを見つけ出す
- パーソナリティ研究をリーダーシップ開発に
1-2 リーダーのとるべき行動──行動理論
- リーダー行動の2つの軸
- PM理論
- マネジリアル・グリッド
1-3 環境条件によって適するリーダー像は変わる──条件適合理論
- フィードラー理論
- パス・ゴール理論
- シチュエーショナル・リーダーシップ理論
1-4 リーダーとフォロワーの関係に着目する──交換・交流理論
- 交換理論
- 信頼性蓄積理論(特異性―信頼理論)
- LMX(リーダー・メンバー・エクスチェンジ)理論
1-5 組織を変革するリーダーとは
- カリスマ型リーダー
- リーダーシップとマネジメントの違い
- 変革への抵抗と落とし穴
- クルト・レヴィンの変革プロセス
- ジョン・コッターの8段階のプロセス
- 変革型リーダーの特徴・スキル
1-6 倫理観に基づくリーダーシップ論
- 倫理観・精神性重視への環境変化
- サーバント・リーダーシップ
- サーバント・リーダーの特性
- オーセンティック・リーダーシップ
- オーセンティック・リーダーの特性
- オーセンティック・リーダーへの成長ステップ
第2章 リーダーシップと関連する組織行動
第2章の概要と構成
2-1 パワーと影響力
- パワーとは何か
- 影響力とは何か
- 人・組織を動かすためのアプローチ
- 状況を分析する視点
- 基本スタンスの選択肢
- どんなパワーをいつ行使するか
- コラム◎相手のパワーが強い場合の動かし方─ボス・マネジメント
- パワーと影響力を適切に使いこなす
2-2 フォロワーシップ
- フォロワーシップに関する研究
- フォロワーシップとリーダーシップとの関係
- 良きフォロワーに必要なスキルと価値観
- コラム◎東日本大震災における東京電力福島第一原発
2-3 ネットワーク
- リーダーシップとネットワーク
- ティッピング・ポイント
- ネットワークの規模
- ネットワーク間のつながり
- 社会的ネットワークの広がり
- ネットワークのつくり方
- インターネット時代のネットワークづくり
2-4 非常時のリーダーシップ
- 非常時を乗り越えたリーダーたちの言葉
- 非常時のコミュニケーション
- リーダーによるチーム効力感の醸成
- 危機に強い組織におけるリーダー
- 組織のレジリエンス向上とリーダーの役割
第3章 リーダーシップ開発
第3章の概要と構成
3-1 リーダーの成長過程の研究
- リーダーシップの解明から開発へ
- 汎用的なリーダーシップ開発
- 「組織を引っ張るリーダー」にフォーカスした開発論
- 経験学習の考え方
- 成功するリーダーと脱線するリーダー
- コラム◎弱みを克服するか強みを伸ばすか──自己認識の生かし方
3-2 リーダーシップ開発の組織的取り組み
- リーダーシップ開発のフレームワーク
- リーダーシップ・エンジン
- リーダーシップ・パイプライン
- コーポレート・ユニバーシティ
- コラム◎日本企業の企業内大学
3-3 進化するリーダーシップ開発
- リーダーシップ開発の進化の方向
- 水平的開発から垂直的開発へ
- 意識の発達段階説
- 徒弟制アプローチ
- リベラルアーツの重要性
- 集合的リーダーシップへのシフト
- コラム◎リーダーシップ開発をリードする専門機関CCL
第 Ⅱ 部 実践編
第4章 リーダーシップを磨く
第4章の概要と構成
4-1 ありたい姿を描く
- リーダーとしてあるべき姿の描き方① 身近なリーダーの長所を具体化する
- リーダーとしてあるべき姿の描き方② 他者と共有して気づきを得る
- リーダーとしてあるべき姿の描き方③ あるべきレベル感を自覚する
- ありたい行動を起点に考える
- リーダーの「あるべきレベル感」と組織文化
- コラム◎反面教師としての“飲み屋症候群”
4-2 現状の自分を客観視する
- 自分自身の現状分析
4-3 ギャップを埋める
- 経験から学ぶ
- 成果にこだわり成功体験をつかむ
- 自己効力感を高めるための振り返り
- コラム◎公式権限を持つまでに後輩指導でパワーを磨こう
- Off-JTから学ぶ
第5章 リーダーシップを発揮する
第5章の概要と構成
5-1 目的・目標の明確化と共有
- 目的・目標の明確化
- 目的・目標のメンバーに対する伝達・共有
5-2 計画立案
- 計画立案におけるポイントと好ましくないパターン
- エンパワーメント
5-3 実行・振り返り
- 実行=相手を動かすこと
- 非言語の威力と無意識に働きかける6つの武器
- 実行段階における難所
- 結果の振り返り段階における難所
あとがき
参考文献
索引
読んでおきたいコールセンター参考書|グループマネジメントの参考書|リーダーのための参考書