顧客満足[CS]の知識

顧客満足[CS]の知識

顧客満足[CS]の知識

小野 譲司(著)
日本経済新聞出版社

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本の詳細

顧客満足度のランキングは、一見すると、
レストランやホテルの品質を格付けしたものと
同じように見えます。

しかしながら、品質と満足は違います。

マーケティングの用語では、
お客さんが主観的に評価する品質を知覚品質と呼びます。
また、知覚品質と似たものに知覚価値という概念もあり、
それはお客さん自身が支払った金額に対して
どれくらいの値打ちがあるかを表します。

1泊5万円の高価格帯のホテルや旅館で、
宿泊客はスタッフによる行き届いた、
きめの細かい接客が受けられ、
料理や施設も素晴らしいと感じるかもしれません。

しかし、だからといって顧客満足が高いとはかぎりません。

たしかに知覚品質は良いけれども、
5万円の宿泊料金が妥当ではない(知覚価値はそれほど高くない)と思えば、
結果的に、顧客満足は知覚品質ほどには高くならないこともあります。

逆に、知覚品質がそれほど高くなくとも、
ほどほどの品質感がある商品を
低価格で販売するカジュアル衣料品店に対して、
買い物客は知覚価値を高く評価し、
結果的に高く評価し、結果的に高い満足を得ている、
というケースもあります。

たんに顧客視点の評価といっても、その内容は多岐にわたり、
複雑な心理プロセスを経て、
満足や不満足といった心理状態が生まれます。

それゆえ、そうした顧客満足の心理プロセスを
理論的に理解することが必要です。

「顧客満足」とは何か。
「満足と不満足の分かれ目」は何か。

本書は、企業と顧客の視点では
異なる顧客満足の捉え方、
満足や不満足が発生する仕組みなどの
心理プロセスをわかりやすく解き明かします。

顧客満足の調査方法、
サービスや製品の品質向上への役立て方、
組織全体で取り組むための手法も丁寧に説明。

さらに一歩踏み込み、
顧客満足を追求しすぎることによる機能疲労のリスク、
顧客とともに価値を生み出す価値共創など、
企業の新たな挑戦課題についても考えます。

顧客満足の本質と実践ノウハウについて解説した
入門書の決定版です。

目次

[I] 顧客満足とは何か
1 身の回りから考えるCS
2 CSのメカニズム
3 顧客満足の現代的課題

[II] 広がる顧客満足の捉え方
1 企業経営における顧客満足
2 顧客にとっての顧客満足
3 顧客の定義:バイヤー、ペイヤー、ユーザー
4 業種による顧客満足の捉え方の違い
5 職種・階層による課題の違い

[III] 戦略ロジック:CSは利益に結びつくか
1 市場シェアと顧客満足
2 顧客関係のメトリクス
3 顧客満足を起点とした戦略ロジック

[IV] 顧客満足の心理プロセス
1 心理から読み解く顧客満足モデル
2 顧客期待
3 知覚品質と知覚価値
4 期待と知覚の不一致の大きさ
5 顧客満足がもたらす効果
6 感動の効果
7 顧客失望とリカバリー

[V] CS調査の実践
1 CS調査のプロセス
2 リサーチ実施
3 データ分析から意思決定へ
4 ベンチマーキング

[VI] CS志向の組織づくり
1 成功と失敗のサイクル:サービス・プロフィット・チェーン
2 組織と仕組みの革新
3 ギャップ分析によるボトルネックの発見:縦糸を通す
4 部分最適と全体最適:横糸を通す

[VII] さらなるマネジメント課題
1 神格化する顧客ロイヤルティ仮説
2 顧客価値のデザイン
3 価値共創の革新へ

リーディングガイド
参考文献
索引

COFFEE BREAK

 伝説化する顧客満足
 認知的不協和の論理と顧客満足
 JCSI(日本版顧客満足度指数)
 離脱客調査(Lost Customer Research)
 ミステリーショッパー調査(Mystery Shopper Research)
 CS調査の副次的効果
 バランス・スコアカード(BSC:Balanced Scorecard)
 マルコムボルドリッジ国家品質賞と日本経営品質賞

 
顧客満足[CS]の知識

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小野 譲司(著)
日本経済新聞出版社

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