職場のメンタルヘルス実践ガイド ― 不調のサインの見極め方診断書の読み方から職場復帰のステップまで

職場のメンタルヘルス実践ガイド ― 不調のサインの見極め方診断書の読み方から職場復帰のステップまで

職場のメンタルヘルス実践ガイド ― 不調のサインの見極め方診断書の読み方から職場復帰のステップまで

佐藤隆(著)グロービス経営大学院(監修)
ダイヤモンド社

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本の詳細

例えば、あなたがストレスの量や残業の量を減らしても、それだけでメンタル不全を防止することはできません。なぜなら、うつ病はストレスがなくても器質的(脳の問題など)あるいは内因的(体質や遺伝子など)な要因によっても発生するリスクもあるからです。また、性格的な要因や個人の身の回りでの出来事によっても発生します。

しかし、管理職が適切なラインケアを行うことで、その発生リスクをより低く抑えることができます。仕事量が多くても、裁量権の付与や、同僚や上司のサポートが適正になされていればストレス反応は抑えられます。仕事量が多くても少数先鋭の要員でも、職務充実度が高ければ、多くの仕事を達成していくこともできます。

多くの職場では、メンタルヘルスの症状チェックが先行してしまい、「見つかったら職場から排除される」といった、何か「犯人探し」の職場になったような心配と怖れを与えてしまうこともあります。その結果、かえってモチベーションが低下し、メンバーが自己防衛的になってしまうことが多いのです。

いきなり業務付与するだけでは、何のためにどうしてこれをやらなければいけないのかわからず、モチベーションが落ちてきますので、目標についても上司と部下で話し合い、設定していきます。その上で、部下の行動を見る必要があるのです。部下のメンタルヘルスのサインを把握することは、日頃から部下の性格や特性を把握しながらコミュニケーションを行い、適切なマネジメントがなされていてはじめて可能となります。

目次

はじめに
序章 あなたの職場は大丈夫? —— 激増する「メンタル不全」

  • メンタル不全とは何か?
  • 増大するメンタル不全
  • 職場のメンタル不全と管理職のリスク
     [事例] 取締役昇格が見送りに —— 面倒見のいい神崎部長(51歳)の事件
  • 管理職の責任はどこまでか
  • メンタルヘルス適応度マップ
  • 職務充実とセルフケアの重要性
  • 〈序章のポイント〉

第1章 職場の心の健康を守る技術 —— ラインケア
管理職がなすべきラインケア 12のポイント

1 見る —— 管理職は、何をどう見なければいけないのか?

  • 見る(1) サインを見る
     [事例] 「貢献・協調・努力」を認め「うつ病」からよみがえった —— 桜木さん(43歳)の場合
  • 見る(2) 能力を見る
     [事例] 教えてもアウトプットできない部下 —— 柿沢さん(25歳)の場合
     [事例] スパルタ職場を具体的なサポートで乗り切った——水谷課長(40歳)の場合
  • 見る(3) 人間関係を見る
     [事例] IT情報技術部の大山部長(48歳)の猛烈リーダーシップ —— 上司がストレッサーのケース
     [事例] 「あの部署に行くとうつになる」という噂が流れる人事異動 —— メンタルヘルス専門家の介入では解決しないケース
  • 〈1のポイント〉

2 話す —— 環境、やり方、プライベートについて声をかける

  •  [事例] 「環境、やり方、プライベート」の声かけをしなかったために生じたメンタル不全 —— 昇進うつ病になった優秀な営業マンの香川さん(40歳)の場合
  • 話す(4) 「環境」について声をかける
  • 話す(5) 「やり方」について声をかける
     [事例] いきなり診断書を突きつけられた下山課長(43歳)の場合
  • 話す(6) 「プライベート」について声をかける
  • 〈2のポイント〉

3 聴く —— 気持ちを、真実を、心を聴く

  • 聴く(7) 長時間労働の時に聴く
  • 聴く(8) 異動があった時に聴く
  • 聴く(9) 人事考課後に聴く
     [事例] 無断欠勤が続く丸尾さんに佐伯部長はどう訊けばいいか?
     [事例] まったくサインなし、セブン—イレブンと呼ばれた「エリート社員のメンタル不全」
  • 〈3のポイント〉

4 対処する —— 最悪の事態を回避する

  • 対処する(10) 安全配慮をする
  • 対処する(11) 健康相談を勧める
     [事例] 上司から「心療内科」受診を勧められた若槻さん(34歳)の場合
  • 対処する(12) 本人の拒否や緊急性のある場合に対応する
  • 〈4のポイント〉
  • 5 職場の健康を守る管理職として行動するために
     [事例] やさしいが頼りにならないPM型の岩倉課長(36歳)
     [事例] PM(K)式リーダーシップ理論を活用した山咲課長(39歳)
     [事例] N社で行なったPMKリーダーシップ診断
  • 〈5のポイント〉

第2章 メンタルヘルス診断書の読み方と対応
診断書を受理した管理職の対応の仕方

診断書の見方

  • (1)適応障害
  • (2)不安障害(パニック障害)
  • (3)うつ状態
  • (4)身体表現性障害(自律神経
  • 診断書の見方の注意点
  • 診断書が出されたら
  • その他のメンタル不全
  • 〈第2章のポイント〉

第3章 部下の職場復帰を成功させるために

  •  [事例] まだ治っていなかった中川さん(28歳)のケース

フェーズ1 メンタル不全による休暇中に気をつけること

  • ステップ(1) 休職開始
  • ステップ(2) 休職中

フェーズ2 休暇中、および休職復帰時に気をつけること

  • ステップ(3) 職場復帰可否の判断および職場復帰支援プランの作成
  • ステップ(4) 最終的な職場復帰の決定と職場復帰

フェーズ3 職場復帰時、および復帰後のマネジメント

  • ステップ(5) 職場復帰後のフォローアップ
     [事例] メンタルヘルスに熱心な本田部長(45歳)の挫折
  • 〈第3章のポイント〉

参考文献
謝辞

 
職場のメンタルヘルス実践ガイド ― 不調のサインの見極め方診断書の読み方から職場復帰のステップまで

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佐藤隆(著)グロービス経営大学院(監修)
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