吉田幸弘(著)
フォレスト出版
本の詳細
今のようにインターネットもスマホもなかった時代は、リーダーと部下の間には圧倒的な「情報格差」がありました。リーダーは部下と比べて膨大な量の情報を持っていました。
そのため、上司から部下に一方的に指示をするだけのタテ型リーダーシップで十分にマネジメントができていました。
むしろ若手メンバーのほうがインターネットを駆使しているぶん、分野によっては、リーダーよりも多くの情報を持っているということもしばしばあります。
そのため、かつては絶対的に正しかった上司の指示が必ずしもそうではなくなりました。
だからこそ、「発想の転換」が必要なのです。
一般的にリーダーというと「即断即決・勇猛・大胆」「ついて行きたくなるカリスマ性」「頼りになるボス」「背中で引っ張るエース兼リーダー」「精神力の強い軍曹」などといったイメージをお持ちの方が多いと思います。
しかし、そうしたリーダー像は過去のものになりつつあります。
リーダーとマネジャーは似ているようですが、役割はまったく違います。
マネジメントとは、「仕組みやルールを用いて、組織に秩序と効率をもたらす行い」です。つまり、ルールや仕組みがきちんと運用されているかどうかを統制することです。
マネジメントがいきすぎて、管理そのものが目的になってしまうというケースもしばしばあります。
リーダーの役割は、チームを適切な方向へ導くことです。
そのために必要な行動は次の2つです。
1つ目は方向性、つまりビジョンを作り、それをメンバーに提示することです。
2つ目はメンバーにビジョンを共感してもらい、それに向かってパフォーマンスを最大限発揮してもらうことです。
目次
はじめに
一生懸命やっているのにうまくいっていないリーダーのあなたへ
第1章 これからは「9割任せるリーダー」の時代
- もうカリスマリーダーはいらない
- 部下を補佐してチーム全体の業績を上げる
- 主役は部下でリーダーは常に脇役である
- ダメな自分を部下にさらけ出す
- ビジョンはみんなと相談しながら決める
- すべてを自分1人で決める必要はない
第2章 リーダーの「型」を身につける
- リーダーとマネージャーの役割の違い
- 人によって態度を変えない
- 部下の信頼を失う言動に注意する
- プロセスではなく成果を評価する
- 会議ではできるだけ自分の存在感を消す
- デキるリーダーほど時間に余裕がある
- 自分のストレスの解消法を用意しておく
- ピンチのときこそ落ち着いているように振る舞う
- イライラしないための工夫をする
- 自分を助けてくれるナンバー2の部下を作る
- ナンバー2の3つの役割
第3章 「尊敬」よりも「信頼」ファースト
- 部下とはなるべく飲みに行かない
- 報連相を上げてもらうためのコツ
- 「ホメる」と「叱る」は人前ではやらない
- 悪口やグチほど危険なものはない
- ミーティングの議題は部下に決めてもらう
- 自分の予定をすべてオープンにする
- 部下の部下と直接仕事の話をしてはいけない
第4章 任せ上手なリーダーは部下を育てる
- 部下には仕事をどんどん任せる
- 「命令」ではなく「相談」する
- 部下に仕事を任せないのはリーダー失格
- 部下に仕事を任せることのメリット
- それでも部下に任せられないあなたに
- 部下の「できる/できない」を正しく見積もる
- 部下の成熟度に応じて任せ方を変えていく
- “あいまいな言葉”は使わない
- 最終的な責任は必ず「上」が取る
- 部下のモチベーションの源泉を知っておく
- 任せた仕事を部下が失敗してしまったら?
第5章 リーダーのための“自分を育てる”仕事術
- ムダを省き、時間という経営資源を節約する
- 「鳥の目・虫の目・魚の目」を身につける
- 綿密な計画よりも、まず行動する
- 実際に仮説を立ててみる
- 問題をいっぺんに解決しようしない
- 「考える」「悩む」にはデッドラインを設ける
- リーダーは直感で決めていい