浅井浩一 (著)
ダイヤモンド社
本の詳細
リーダーとなったあなたに、まずお伝えしたいのは「自分の優秀さを、むやみにアピールしてはいけない」ということです。
はじめてリーダーになる君へ/浅井浩一 (著) ダイヤモンド社より
言葉にすると簡単ですが、これができている人はそういません。
なぜなら、リーダーになりたての人ほど「リーダーは、チームの中で一番優秀でなければならない」という呪縛に囚われているからです。
人というのは優秀な人についていくのではありません。むしろ、自分のことを認め、頼ってくれる人についていきたくなるものです。
あなた自身が部下だったときのことを思い出してください。
よく覚えておいて下さい。
人は誰でも「優秀でありたい」と思うものですが、リーダーにとって「個人としての優秀さ」とは、実はとても危険な要素でもあるのです。
ビジネス環境がめまぐるしく変わる世の中では、「一人の考え」「一人の指示」だけで乗りきろうというのは非常に難しい話です。業績好調なときはいいでしょうが、ちょっと不振に陥ると、途端にチームが停滞し、「この人についていって大丈夫かな?」という空気が流れ出します。
極端な言い方をすれば、「あのリーダーは、ちょっと頼りないよね」「そこまで能力が高くないよね」と言われても、メンバー全員がやる気を出し、成長し、能力をどんどん発揮するなら、それですべてOKです。
これこそが、「リーダーとしての優秀さ」を支える根っこになります。繰り返しますが、優秀さを発揮するのは、あなたではなく、チームのメンバーです。
目次
はじめに
第1章 利口になるより、バカになろう [心がまえ]
- 「自分の優秀さ」をアピールしない
- リーダーが持つべき「2つの力」
- 利口になるより、バカになろう
- 「この人のためなら」と思われるリーダーの習慣
- 部下が見ているのは、能力ではなく「仕事への姿勢」
- 「自分より優秀な部下」とどう向き合うか
- 部下の活躍はどんどんアピールしよう
- 「評価」の難しさを知っておく
- 思うような結果が出なくても、焦らない
- 困ったことがあったら、正直に弱みを見せる
- まとめ
第2章 本気で部下に甘えよう [コミュニケーション]
- 部下から慕われるリーダーは、とことん「甘える」
- 部下の本音を聞き出すたった1つの方法
- 「報・連・相」は上司から
- 「魔法の日報」で部下がどんどん正直に
- 心から頼れる腹心を作る
- 業績や数字ではなく、「人としての関心」を持つ
- 「お前、本当に優しいヤツだな」。小さな工場で起こった奇跡
- 難しく考えず、ごく自然に声をかける
- 365日欠かさなかったある日課とは?
- 「相談してくれてありがとう」精神を持つ
- 苦手な部下と「プロ」としてつき合う方法
- まとめ
第3章 「一人」との向き合い方を「みんな」が見ている [部下育成]
- 「一人」との向き合い方を「みんな」が見ている
- 部下には部下なりの「上司にして欲しいこと」がある
- 部下育成に欠かせない「2つのスタンス」
- 業績以外のほめポイントを見つけるコツ
- やる気をグングン引き出す「火のつけ方」
- この「質問」で、部下がどんどん動いてくれる
- 「始めたこと」をほめる。「途中経過」をほめる
- ときには見守りつつ、じっと待つ。ぐっとこらえる
- 「やる気のない部下」には必ず理由がある
- 「契約がとれるまで帰ってくるな」と突き放した日
- 「性弱説」に基づいて、人と向き合う
- まとめ
第4章 結果よりも、プロセス(行動)を見る [マネジメント]
- チェックではなく、「ケア」を行う
- 結果ではなく、プロセス(行動)がすべて
- 「販売戦略が一人歩き」。そんなときこそリーダーは?
- 強いチームは、この「視点」を持っている
- 思考停止を起こすチーム、その原因は?
- 大事にすべき「基本行動」を決める
- プロセス(行動)をどう見える化し、評価するか
- 部下が言い訳を始めたら、最大のチャンス!
- リーダーに求められる「さりげなさ」とは?
- 部下を正直にさせるちょっとしたコツ
- 「誰の、何のために働いているか」を意識させる
- POPで売上が倍増! その理由は?
- まとめ
第5章 正直で、助け合えるチームを作る [チーム作り]
- 大事なことこそ、腹心に話してもらう
- 「ちょっとしたサイン」を絶対に見逃さない
- チームの会話量を増やし、活性化させるには
- 優秀な人だけにスポットライトをあてると、チームは弱くなる
- 「縦」ではなく、「横」のチームワークを意識する
- ギスギスしたライバル関係は、必ず変えられる
- リーダーが甘えるからこそ、「助け合うチーム」が生まれる
- まとめ
おわりに
特別付録:コミュニケーションシート