岩田松雄(著)
中経出版
本の詳細
上司が先にしゃべってしまったら、部下は上司に合わせてしまいがちです。目上の人とは違う意見を言いにくい。しかし、部下から先に意見を言ってもらうと、自分の意見がすんなり出てきたりするのです。
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方/岩田松雄(著) 中経出版より
なぜ会議で意見を聞くのかといえば、多様な意見をぶつけ合うことで、よりいい意見、いい考え方が生まれるから。必要なのは、たくさんの異なった意見です。
だから、私は自分の意見を言う前に、必ず先に部下から意見を聞くようにしていました。そうすると、部下独自の意見が出てくるのです。できれば、年次の低い社員から聞いていく。リーダーが指名してあげるのです。そして、リーダーは最後にしゃべる。
また、積極的にいい意見がでてくるように、メモを取るようにしていました。小さなことかもしれませんが、自分の言っていることを、上司がメモしてくれている。これは部下にとっては、極めてうれしいことのようです。一生懸命にあなたの意見を聞いている、という部下へのメッセージにもつながります。
私が強調しておきたいのは、リーダーシップのイメージを変えてほしい、ということです。リーダーシップといえば、多くの人がイメージするのが、オレについてこい、というカリスマ的な力で、グイグイ人を引っ張っていく、というものではないでしょうか。強いリーダー、一歩前に出るリーダーでなければいけない、と。
実際、一国のリーダーにしても、企業のリーダーにしても、そうしたカリスマ的な輝きでリーダーシップを発揮する人もたしかにいます。しかし、それだけがリーダーシップでは決してない、ということです。
カリスマ性の有無はまったく関係がない。むしろ、謙虚さを持っている。何かがうまくいったとしたら、「それは運が良かったからだ」「部下が頑張ってくれたからだ」と受けとめる。逆に、うまくいかなかったときには、「すべて自分の責任だ」と捉える。
目次
はじめに
第1章 リーダーは、かっこいいとは限らない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「考え方」
1 「どうして自分がリーダーに?」でまったくかまわない
- 高校から本格的に始めた野球で、まさかのキャプテンになった
- 「岩田先輩をキャプテンにしてほしい」
2 リーダーシップは生まれつきのものじゃない
- リーダータイプではない私が、社長にまでなれたのはなぜだろう?
- まず「リーダーシップ」のイメージを変えなさい
3 人を動かすより、まず自分を動かせ
- 努力をすれば、必ず報われる
- 人を治める前に、まず自分を修めよ
4 部下は、上司の人間性をこそ見ている
- 尊敬できた上司と比べて、今の私はどうなのか?
- 偉い人が、「謙虚でいること」はかっこいい
- 料亭よりも安居酒屋
5 挫折の経験が、人の痛みを想像できる人にする
- 「社長を目指して、頑張りたいと思います」
- 部下は華やかな経歴など望んでいない
6 現場、そして弱い人たちを大事にする
- 売上げは「現場」で生まれている
- お茶を出してくれた人に、あなたならどう接するか?
7 権力の恐ろしさを理解しておく
- 地位は権力ではなく、責任である
- 甘い誘惑に打ち勝てる人が、地位を手にする
8 リーダーが発するべきは「ミッション」である
- スターバックスにはサービスマニュアルがない!?
- 「三つの円」が重なるとこにヒントがある
- あなた個人のミッションは何か?
9 トイレに行く姿まで常に見られていると意識する
- リーダーのパッションは伝染していく
- 虚勢は張るな、弱音は吐いてもいい
第3章 リーダーは、部下と飲みに行かない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「マネジメント」
18 ピッチャーとサード、どちらかが偉いか?
- リーダーは、偉いわけではない
- 「みんなを幸せにしたい」が原動力であるべき
19 部下に関心を持つことから始めなさい
- 部下の部下にまで気を配る
- 飲みに行かなくても本音が聞ける関係を作る
20 常に味方になり、重視すべきは現象である
- 自分に近い人ほど厳しくする
- 現場に行かないと見えないことがある
21 仕事を頼むときは、「Why」から始めなさい
- 使命感が持てるような頼み方をする
- 必ずまずは褒めてから、指摘をする
22 評価は「上・横・下」の全範囲から見て下す
- 意見は部下の部下に聞いて見る
- 誰が出世するか、究極のメッセージは人事である
23 大きな方針は「直感」で作っていい
- いつも創業の原点に立ち戻ってみる
- 大きな目標をつくるから、できる達成がある
24 リーダーは結果責任がすべてである
- 結果は、半年後から出すと考える
- 部下の場合は結果以上にプロセスを評価する
25 「to do good」よりも、「to be good」になりなさい
- 「仕事はできるが、人間性が良くない」部下に注意する
- 上を目指すなら、人間性をこそ高めよ
26 ソリが合わない部下、上司とうまくつき合う方法
- 新入社員には「時給」で説明する
- 必要なときは、人事権をしっかり行使する
- 上司とうまくいかない場合は?
第4章 リーダーは、人のすることは信じてはいけない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「決断」
27 判断は必ずしもスピーディでなくていい
- まずは「いつまでか」を把握する
- 「朝令暮改」を恐れない
28「事実」と「判断」を混同しない
- 人を信じてもいいけれど、人のすることを信じてはいけない
- 一番に事実を重視する
29 前向きなチャレンジは、迷ったときには、やってみる
- リーダーは意識してチャレンジする
- 会社全体のチャレンジ精神を育てる
- 人事だけは、迷ったらやらないと決める
30 いつでも「何とかなる」という感覚を持つ
- 「この会社にいなければ自分はおしまいだ」などとは思わない
- 自分にできる最大限のことをやれば、神様は悪いようにはしない
31 部下の意思決定力を鍛える
- 部下に判断させ、理由を聞いてみる
- セールスでは、どこまでの値引きを許せるか?
32 リーダーは、逃げてはいけない
- 「上が決めたから」は絶対に言ってはいけない
- 「決断力」を日頃から強く意識する
第5章 リーダーは、立ち止まらなければいけない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「行動力」
33 自分が思うことは率先垂範していく
- リーダーが見せれば、周囲も変わる
- 大きな理想も、小さな目標のクリアから始まる
34 時間と効率を徹底的に意識する
- 「行き先階ボタン」と「閉まるボタン」、どちらが先か?
- できることは、すぐにやっていまおう
35 時に立ち止まれる時間を作る
- 三時間以上のまとまった時間を、ときどき作る
- スケジュール表に、予定だけでなく「実績」も書いていく
36 行動力は、徹底的な自己管理から
- 「午前〇時」にあなたは寝ているか?
- 身体を動かすことで、脳が休まる
37 常に「何か、困ったことはない?」と声をかける
- 「ついていきたい」と思われるリーダーの口癖とは
- 「困っていること」は何とかしてあげないといけない
38 文字に書いて、残すことで行動を管理する
- 必ずしもメールに本文などいらない
- 年間の「やりたいことリスト」も書いておく
39 不機嫌なときにはどうすればいいか?
- 自分なりの「儀式」を作ってバランスを取る
- クヨクヨしてもいい、謝ってもいい
第6章 リーダーは、多読家である必要はない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「読書術」
40 気に入った本を繰り返し読んでみる
- 読む時期によって、受けとめ方が変わる
- 成長していれば、新しい気づきが得られる
41 同時並行で、いろいろな本を読む
- いいな、と思った本は出会ったときに必ず買っておく
- マーカーや名刺で成長や変化を味わう
42 本は自分で買いなさい
- いい本は、部下やチームと共有する
- 身銭を切って本に投資する
43 心を豊かにし、震わせる本や映画に触れる
- 若いときに読めば、役に立つハウツー本もある
- いかに人の心を動かすか、を学ぶ
44 大きな志を持つために、大きな発想をする
- 『竜馬がゆく』に学ぶリーダーシップ
第7章 リーダーは、弱くてもかまわない
「ついていきたい」と思われるリーダーの「人間力」
45 優れたリーダーは、優れた人間力を持っている
- 伸び続ける人、伸び止まる人
- かぶる帽子はひとつにしなさい
46 「人間力」が疑われるようなことをしてはいけない
- 人の悪口や自慢話は控えておく
- 権力を手にするからこそ、「人間力」が試される
47 徳を高めていく意識を持つ
- 人間としての自分をどう高めていくか
- 人間的な成長をすることこそが、成功である
48 挫折や失敗が、人を優しくする
- 自分がこんなに弱いのに、人に厳しくできるわけがない
- 人生には、無駄な経験は何ひとつない
49 無私の心を持つ
- 志やミッションを旗印にする
- 「恨みに任ずる覚悟」を持つ
50 毎日が自分磨ける場だと知る
- 「ありがとう」や挨拶を習慣にする
- 使い捨てられる安全カミソリにはなるな
51 最後は、自分を信じ続けること
- 一〇〇店満点のリーダーでなくてもいい
- 自分を信じられるから、努力ができる
- おわりに