最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと
マーカス・バッキンガム (著) 加賀山卓朗 (訳)
日本経済新聞社
本の詳細
部下から最高のパフォーマンスを引き出すために、マネージャーはいくつもの異なる役割をうまくこなさなければならない。
効果的な人選。望む結果を明確に示して、目標をさだめること。強みに目を向け、弱みをうまく補って、部下にやる気を起こさせること。そして、成長に手を貸してほしいと部下が言ってきたときには、ただ単に組織内で昇進させるのではなく、真に彼らにふさわしい役割に向かわせること。
最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと/マーカス・バッキンガム(著)加賀山卓朗(訳)日本経済新聞社より
こういった役割にはみな微妙で複雑な要素がある。この複雑さを否定するつもりはない。しかしこれらの役割や、優秀なマネジャーがつねに念頭に置いていることすべての根底に、なんらかの「核心」がないだろうか。
バランスをとろうとするな、アンバランスをめざせ!
すぐれたマネジャーとリーダーは、この一点に集中する。すぐれたマネジャーは「部下一人ひとりの個性」に注目する。
部下を型にはめて作りかえようとするのではなく、それぞれの個性が活かせるように、彼らの役割や責任のほうを作りかえる。すぐれたリーダーは「部下たちに共通する不安」に注目する。
いまどこに向かっているのかを明確にすることで、皆が抱く未来への不安を取り除く。顧客は誰か、強みは何か、尺度は何か、いますぐとれる行動は何かを明らかにすることだけに専念する。そして、継続的な成功を手にする人たちは「何をしないか」に注目する。
成功することで新たに生じる障害物 — 退屈な役割やストレス、あなたを消耗させる機会を見逃さない。自分がしたくないことに気づいたら、できるかぎり早くそれらを切り離す。
目次
第1章 「たったひとつのこと」について知る必要のある、いくつかのこと
- 核心にたどり着きたい — 問題を深く掘り下げたときにあるもの
- なぜだらけの半生 — なぜこの本を書こうと思ったのか?
- たったひとつのことを見きわめる方法 — ある説明が、ほかの説明より説得力を持つのはなぜか?
- 隠れた原則の一例 — 幸せな結婚生活について知らなければならない、たったひとつのこと
第I部 組織の継続的な成功について あなたが知らなければならない たったひとつのこと
第2章 マネジャーとリーダー — どうちがうのか?
- 重大なちがい — どちらが重要か? 兼任は可能か?
- 真ん中から見る — すぐれたマネジャーは何をしているのか? どんな才能が必要か?
- 頂点から見る — すぐれたリーダーは何をしているのか? どんな才能が必要か?
第3章 すぐれたマネジャーはチェスをする
- まずはマネジメントの基本から — マネジャーとして失敗しないためのスキルとは?
- すぐれたマネジャーは何をしているか? — すぐれたマネジメントについて知らなければならない、たったひとつのこと
- 完璧な配置 — ウォルグリーンの店長がとった方法とは?
- すぐれたマネジャーはロマンティストである — 個別化によってもたらされる利益とは?
- 強み、引き金、学習スタイル — ある人材を有効に活用するために、その人について知っておくべき三つの手がかり
- もっとも役に立つ質問 — 三つの手がかりをどう見きわめるか?
第4章 すぐれたリーダーは未来を描く
- リーダーはわれわれの心をとらえる — ニューヨーク市民の不安を鎮めるために、ジュリアーニ市長は何を言ったか?
- 五つの不安、五つの欲求、ひとつの焦点 — リーダーに求められるものは何か?
- 未来への不安を取り除く — 人々がいちばん明確さを求めているのはどこか?
- リーダーシップの規律 — 最高のリーダーはどうやってそこへ到達するのか?
第II部 個人の継続的な成功について あなたが知らなければならない たったひとつのこと
第5章 何をするかではなく、何をしないか
- 二〇パーセントの人 — なぜ彼らは成功し続けるのか?
- 初期の考え — たったひとつのことのように見えて、そうでないもの
- 継続的な成功とは何か? — 意味の広いことばだが、その正確な定義は
第6章 3つの主張
- 主張1 — 正しい戦術を見つけ、それをもちいる
- 主張2 — 欠点を見つけ、修正する
- 主張3 — 強みを見つけ、磨きをかける
第7章 これで成功は継続しない
- 退屈している場合
- 満足感がない場合
- ストレスを感じる場合
- 消耗している場合
エピローグ アンバランスであることをめざして
- 謝辞
- 訳者あとがき