山﨑拓巳(著)
かんき出版
本の詳細
相手に頑張ってもらいたいとき。
刺激的な言葉をかけてプッシュするのは簡単です。
私たちは、相手のやる気を上げようとして、つい、短いスパンで考えて短絡的な言葉をかけてしまいがち。テンションは高まるかも知れません。
しかし、テンションとは「興奮している状態」‥‥。
これはモチベーションではありません。
モチベーションとは「動機付け」です。
そして、相手は「自分の力」ではなく「僕の力」で動いたことになってしまいます。
本当に相手のことを思うなら、もっと長いスパンで見て、その人の人生をサポートしながら、その人の進みたい方向の中で大切なことを伝えてあげたほうがいい。
そうやって、「やる気にさせる」というより、「本気になってもらう」のです。
「やる気」と「本気」は違います。「やる気」というのは、一種の興奮状態です。
ですから、あまり長続きはしません。
たとえば、飲食店のアルバイト大学生。将来、飲食業に就きたくて働いている店員もいれば、ただの腰掛けで働いている店員もいます。
同じ「アドバイス」では、心に届きません。
「飲食っていうのはな、コミュニケーションなんだよ!」
というアドバイスが有効な場合もあれば、
「君の年齢のときに体験すべきことが、3つある‥‥」
っていうアドバイスが有効な場合もあるのです。その人の「wants(欲求)」に紐づいた「努力をする意味」を提案できて初めて動機づけになるのです。
「本気」になってもらう声がけをするには、相手の価値観を知り、それに合わせて声をかける必要があるのです。
その苦言は、本当に100%、相手のことを考えてのものなのか?
それとも、腹立たしさから嫌味を言おうとしているだけなのか?
もし、後者なら「お前のためを思って言っているんだ」って言って、部下イジメをする最低な上司と同じです。
では、伝えようとしている苦言が、本物なのかどうか、どうやってチェックすればよいのでしょう?
そんなとき、僕はいつもこう考えるようにしています。もし、この場に相手の両親がいても、その苦言を相手に伝えることができるか?
「ちょっとご両親の前では‥‥」と思えば、愛を持って言おうとしていないから、言わないほうがいいでしょう。
目次
はじめに 人知れず、スゴイ! 話し方を手に入れる
第1章 さりげなく人を動かすスゴイ! 話し方
- 言い負かしても決して心はつかめない
- スーッと受け入れられる「ものの言い方」がある
- 相手が自ら動いてくれるように話すコツ
- 響く言葉をチョイスする
- この言葉に「愛」はあるか?
- 「自動詞」は魔法の言葉
- ヒエラルヒーより「球型」が面白い
- 相手の「自己肯定感」を高める方法
- あなたが語ると時代が動く
- ダメ出しをするのは自分じゃない
第2章 ナチュラルに相手とつながる話し方
- タイプ別のつながり方
- 自分よりもスゴイ人とのつながり方
- 初対面の相手と打ち解ける方法
- ある日、突然「他己紹介」
- 相手とつながるために、最初に覚えること
- 相手とつながる2つの質問
- 初対面で盛り上がる「あるある会話」
- 全力投球でしゃべるとつながれなくなる
- 「濃い質問」で相手とつながる
- 相手と壁を作らないために気をつけること
- 相手と本当に深くつながるには?
第3章 雰囲気を作って相手を引き込む話し方
- 先輩たちの「場」の作り方
- しゃべるときの目の使い方
- しゃべるときの声の出し方
- プロ歌手からの2つのアドバイス
- しゃべるときの表情の作り方
- しゃべるときの間の取り方
- 話に相手を引き込むコツ
- 新しい話のネタを増やす方法
- 面白い話のネタの仕込み方
第4章 必ず「YES」と言ってもらう話し方
- 「NO」を「YES」に変えるには?
- 話すテクニックを磨くための習慣
- うまいプレゼンテーションの学び方
- 「相手の心を揺らすひと言」の作り方
- 商品価値を伝えて、買っていただくには?
- タイプ別の売り込み方
- 口に出さないで「本音」を伝えるには?
- 針を打つ場所を考える
- 「利他」の気持ちで、ひっくり返る
第5章 「やる気のスイッチ」を入れるキラーフレーズ集
- キラーフレーズ1 相手に「夢を持ってもらいたい」ときのひと言
- キラーフレーズ2 プレッシャーに弱い相手を頑張らせたいときのひと言
- キラーフレーズ3 諦めそうな人を励ますときのひと言
- キラーフレーズ4 初対面の相手との距離を短時間で縮めたいときのひと言
- キラーフレーズ5 相手のモチベーションを上げたいときのひと言
- キラーフレーズ6 お客様から絶対に「YES」を引き出したいときのひと言
- キラーフレーズ7 夢を叶える自信が持てない人の背中を押すときのひと言
- キラーフレーズ8 会議で沈黙になったときのひと言
- キラーフレーズ9 謝罪しなければならないときのひと言
- キラーフレーズ10 仕事でどうしても協力を仰ぎたいときのひと言
第6章 「場」をまわす話し方
- 会議では何を目指すのか?
- 多数決は正しくない
- チェアマンに必要な資質は?
- 会議の「場をまわす」ときの注意点
- 理想の組織とは?
- 異なる意見をどうするか?
- 会議前のコンセンサス
- 猛者たてへの対応は?
第7章 大勢の心をつかむ話し方
- 大勢の前ではなすときの「入り方」
- 会場がカタイときは?
- 話すときのペース配分は?
- 笑いが大切
- ハプニングはおいしい
- 講演はキャッチボール
- 大勢の前で話すときの注意点1
- 大勢の前で話すときの注意点2
- 講演の台本のまとめ方
おわりに
参考文献/参考にした講演・セミナー
山﨑拓巳(著)
かんき出版