1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法
鳥谷朝代(著)
大和書房
本の詳細
いままで、どうやって逃げるか、その方法ばかりを考えていたのですが、ここで初めて、逃げる以外の方法を探したのです。
「あがり」「緊張」で検索すると、精神科のサイトが多数出てきます。薬 ーーー
これで抑えられるなら‥‥と、すぐに精神内科で診察を受けました。
先生は私の話をサラッと聞いただけで、「じゃ、お薬出しますね」。
とてもあっけない対応に拍子抜けするのと同時に、少し怖くなりました。
体はどこも悪くないのに、薬物に手を出すことに抵抗があり、結局薬を使うのはやめました。次に「催眠療法」という小さな広告が目に留まりました。
そこには「あなたの赤面、汗、吃音は治ります!」という言葉。
電話で予約を取り、古いマンションの一室に、恐る恐る入りました。先生と一対一で、いわゆる催眠術をかけてもらうのですが、20万円以上使ったわりには、ほとんど効果は得られず、「やっぱり私のあがり症は治らないんだ‥‥」とかえって落ち込んだのを覚えています。
いよいよ退職しかないと諦めていたころ、カルチャースクールで開講していた「話し方講座」というのを見つけました。
「話し方講座であがり症を治す」ということに半信半疑でしたが、なにしろ時間がありません、すぐに申し込みました。体験レッスンに行くと、10名ほどの50〜60代の男女が発声練習をしていました。
皆さんお腹から堂々と声を出しています。
歌舞伎の口上を述べたり、スピーチの練習をしていましたが、皆さんとてもお上手で、まるでプロの役者さんのようです。「最初は緊張するとまったく声が出なかったんだけど、練習してここまでできるようになったんだよ」という言葉に励まされ、「もしかしたら私もできるようになるかもしれない!」と勇気をいただきました。
同時に、外見ではまったくわからないけれど、じつは皆さん緊張で悩んでいるということを知ることができて、安心できました。
さっそく、職場での発表用のレジュメと台本を作りました。
考えてみると、いままで発表の機会があってもすべて逃げてきたので、こうして準備するのは初めてでした。何度も読み上げ、まわりの人に聞いてもらいながら、練習しました。
そうするうちに、「人前で話す」=「震える、イヤだ、逃げたい」から、「人前で話す」=「ちょっとできるかも?」へと明らかに変わっていくのがわかりました。
目次
1 人前でうまく話せないのはなぜか?
- 日本人の95%は、「話すのが苦手」
- あがり症で悩む人が、まったく考えないこと ほか
2 気まずくならない話の進め方
- 緊張感を持って接するのが、ビジネスの基本マナー
- こんな人とは話していて気持ちがいい! ほか
3 声と姿勢を変えれば緊張が解ける
- 自分の「話している姿」を観察しよう
- 「これ」を続けると、ますますあがりやすくなる ほか
4 本番に強くなる秘策を教えます
- 本番が近づくほど物怖じしてしまうわけ
- 人の話を聞くほうが「待ち緊張」は小さくなる ほか
5 どんな場面でもあがらずに話す方法
- 自己紹介編 ー「感じのいい人」と思わせる話法
- 面接編 ー「きちんとした人」を印象づける話法 ほか
1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法
鳥谷朝代(著)
大和書房