通販ビジネスの教科書

通販ビジネスの教科書

通販ビジネスの教科書

岩永 洋平(著)
東洋経済新報社

スポンサーリンク

本の詳細

通信販売は、地方の企業・中小企業にチャンスがある事業です。

一般的な事業のリソース、組織力・資本力・ブランド認知・信頼性などの点で、地方中小企業は東京・大阪に本社のある大手メーカーにかないません。

しかし通販の大手、山田養蜂場・再春館製薬所・えがお・やずや・健康家族などは地方の企業であり、通販を始める以前は中小企業でした。

通販では多くの場合、商材が一般的なお店の売り場にはない”特別”な未知の商品であると消費者に認識せしめて付加価値を高めます。

その際に既存のチャンネルもブランド認知もない中小企業はむしろ有利です。

所在地の「産地風景」も希少性を演出する要素となります。

幅広いターゲットに多くのカテゴリーの商品を売る大型ブランドは、際立った特徴が脱色されて”人格”を失いがちですが、中小企業は扱い商品やオーナーの意思などを中心に、際の立つ特別なブランドを表現できます。

地方企業ならばなお、そのブランドのキャラクターは表現しやすくなります。

これらの優位性に加えて通信販売はそもそも媒体の広告が売り場です。

リアル店舗との取引口座開設・配荷・フェイス獲得などに時間・コストを費やす必要もないため、事業資産に乏しい企業でも急拡大が可能です。

実際に先にあげたような地方の通販企業は短期間で大きな企業規模・ブランドに成長しました。

なぜ、通販商品がここまで多くの人の購買意欲をかき立てるのでしょう。

サプリメントや化粧品、健康器具、食品など、
通販の魅力に関心を持つ人は少なくないのではないでしょうか。

その秘密は、通信販売には価格の決め方、ブランド施策、メディア戦略まで、
顧客との絆を深める施策がふんだんに採られているから、と本書は語ります。

著者がこれまでに経験した、
約30社の通販事業の立上げ、成長支援のノウハウを解説。

メーカー系の通販や、専業通販、地方の中小企業、ベンチャーなどを支えた
最新メソッドを学べます。

通販ビジネスに参入している企業の担当者・経営者はもちろん、
これから参入を考えている方にもお勧めの好著です。

目次

はじめに
第1章 固定観念を超えて成長する通販事業へ

01 通販ビジネスは2つの困難に直面する
02 事業成長を阻害する誤解・固定観念
03 既存の通販メソッドを検証して生きたノウハウに

第2章 なぜ通販に取り組むべきなのか・なぜ通販は成長できるのか

01 通販市場成長の背景
02 小売と垂直競合する消費材メーカーにチャンスがある
03 地方企業・中小企業に通販ならばチャンスがある
04 通販の起業が失敗してしまう原因は
05 なぜ通販事業が伸び悩むのか
06 通販事業の起業と事業設計 – 通販起業ケーススタディ(1)
07 採算性確立までの試行錯誤 – 通販起業ケーススタディ(2)
08 顧客との絆に支えられて復興へ – 通販起業ケーススタディ(3)

第3章 [事業採算]通販の採算構造を理解する

01 通信販売はどうやって利益をだすのか – 基本採算構造
02 どの程度の効率で顧客が獲得できたか – CPO
03 顧客がどの程度の売上・利益を生むか – LTV
04 個人客単位で採算をとる
05 事業単位で収益が積上がっていく
06 初年度は赤字でも数年で20億円以上の規模に
07 KPIはさまざまにあるが最小限で
08 投資についての理解・判断を誤ると成長機会を逃す
09 広告費は「新規顧客獲得費」として把握する
10 「獲得効率のワナ」が負のスパイラルを招く

第4章 [商品設計]どういう商品・MD設計を投入すべきか

01 まず、店で売れる商品は通販では売りにくい
02 説明が必要な商品は向いている
03 気づきを与え売れる商品が適している
04 提供者が”売りたい理由”がある商品は通販で売る
05 店販よりも高い価格設定ができる商品は通販に合う
06 40代以上女性に売れる商品を通販で
07 通販商品の三つの要件
08 クロス商品MDで客単価を向上させる
09 化粧品:店頭販売と拮抗して成長する
10 化粧品:入口を基礎化粧品セットにするか、ワンアイテムか
11 健康食品:素材成分の消長とともに拡大する
12 健康食品:ブーム・ライフサイクルに対応するために
13 衣料:カタログとEC、古くて新しいカテゴリー
14 衣料:商品の”魅せ場”を媒体に設定して成長する
15 食品:大きな成長可能性
16 食品:立ちはだかる困難
17 食品:陥穽を超えて客単価を積み上げる

第5章 [ブランド開発]ブランドに逃げない・ブランドから逃げない

01 ブランドとはなにか、記憶・文脈化・志向性
02 通販事業に貢献するブランド
03 ブランドを魔術から解放する
04 ブランドはイメージ広告で作るのではない
05 レスポンスとブランド形成は二律背反ではない
06 知られていないことはすなわちハンディにならない
07 レスポンスとブランドの”相克性”を超える
08 通販ブランドは人格を志向する
09 通販ブランドは商品を売る理由・売り方の理由を説明する
10 通販ブランドは物語をつむぐ
11 通販ブランドは共感形成を重んじる
12 ブランドのアイデンティティを表出する開発シート
13 ブランドの”敵”を設定する・「ではない」と限定する
14 ごあいさつ状・ブランドブック・ネーミング
15 ブランド形成のコミュニケーション展開へ

第6章 [媒体設計]適切な媒体選択で成長性を確保する

01 通販で利用するメディアは
02 「スケーラビリティ」で媒体を選ぶ
03 小さな媒体への最適化が招くリスク
04 「新聞」のスペースを活用する
05 「折込チラシ」で買い物客を捉える
06 早い段階から使いたい「テレビインフォマーシャル」
07 拡大する「ネットメディア」を活用する
08 次々と登場するネットメディア・ソルーションを把握する
09 ターゲットクラスター化の陥穽
10 適切に設定されたメディアミクスで効率的に顧客を獲得する
11 通信販売のためのアトリビューション分析
12 通販事業は「エリア」をどう捉えるか
13 効率的な媒体計画の策定へ

第7章 [表現開発]レスポンスを左右する広告表現

01 一般的な広告と通販の広告の違い
02 広告表現の発注者が留意すべき点
03 基本的な構成をどう開発するか
04 広告表現要素の機能・開発のチェックポイント
05 広告表現要素の材料収集
06 表現の「切り口」のバリエーション例
07 薬事法・景表法、通販広告の表現規制をどう踏まえるか
08 広告表現の獲得効率を向上させるスプリットランテスト
09 表現の改善ポイントを探るアクティベーションパワーテスト

第8章 [価格・売り方設計]アクセスに誘導しながらアップセルを狙う

01 価格設定の基本
02 価格設定の実践
03 売り方パターンと価格をどう設計するか
04 オファーをどう設定するか

第9章 [リテンション・CRM]客単価を向上させ採算を確保する

01 購買基点の意識変容に対応して施策を投入する
02 初期段階稼働率がその後の客単価向上に大きく貢献する
03 獲得初期段階でのコミュニケーション課題
04 リテンション施策の基本フレーム
05 初回受注時はアップセルの最大のチャンス
06 初回受注時から商品期待を高めるインバウンド施策
07 顧客への「プレゼント」として梱包物を設計する
08 引上げ・2回目購入に誘導するプロモーション
09 商品期待を高める商品到着時のコミュニケーション
10 顧客の使用体験をデザインするツール・施策
11 提供者・ブランドへの信頼・共感を醸成する同梱ツール
12 利用継続を促進する施策・オファー
13 ブランドと顧客を気持ちでつないで継続を図る
14 RFM・顧客データマイニングの実践
15 顧客の「満足・推奨意向」が客単価向上の基盤となる
16 リテンションのための媒体設計・商品開発

第10章 [フルフィルメント]収益を上げるバックヤードへ

01 顧客とつながるコールセンターへ
02 適切なKPI設定でコールセンターが収益を生む
03 システム・物流・決済をどう選ぶか
04 業務のアウトソーシングを検討する

第11章 [事業開発]通販事業の構想から実践へ

01 通販事業の構想・売り場と消費場面から
02 目標事業規模10億円とはどういうスケールか
03 通販事業による地域創生へ
04 チャネル間競合からオムニチャネルの相乗性へ
05 通販事業を再開発する
06 社内組織の設定要件と外部企業とのアライアンス
07 通販事業の管理会計費目
08 通販起業の開発領域と段階

新しい通販事業との出会いのために~おわりにかえて

 
通販ビジネスの教科書

通販ビジネスの教科書

岩永 洋平(著)
東洋経済新報社

タイトルとURLをコピーしました