中山真敬(著)
技術評論社
本の詳細
仕事のパソコンの最大の特徴は、生産性が重視されるということです。仕事は、一定の時間でどれだけの成果が上げられるかが重要になります。「時間がかかってもいいから」という姿勢では、周りにどんどん後れを取ってしまいかねません。
本書が他のパソコン入門書と大きく異なるのは、仕事で必要になる知識、基本的なパソコンの操作方法を丁寧に解説するだけでなく、ショートカットキーなど効率のよいやり方を多数紹介している点です。もちろん、すべてを紹介することはできませんが、生産性に直結する重要度の高いものを厳選して紹介しました。
例えば、研修中のグループワークで、数表やレポートなどを作成させると、Excelのセル内で改行するやり方がわからない受講生はかなりの数に上ります。イベントの3日間の総訪問件数を求めるのに、電卓を叩いてExcelの表に入力する光景すら目にします。これでは、日常の仕事においても、効率よく仕事をこなしているとは到底思えません。
また、研修終了後に、感謝のメールを受け取ることもあります。すると、新入社員などは、「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます〜」といった、手紙のようなメール文を書く者が必ずいます。しかし、こうした新入社員のことを笑えない中堅・ベテラン社員の方が必ずいらっしゃるはずです。私自身の経験上、日常の仕事において、用件だけのぶしつけなメールを受け取って不愉快な思いをすることが少なくないからです。
ある人にとっては、基本的な当然のことなのに、ある人にとっては、そうではない、ということが非常に多いのが、パソコン入門書の難しいところです。私自身、Excelで「すべて選択」を行うのに、「Ctrl」+「A」というショートカットキーを2回押す方法をずっと使っていたものですから、ワークシート左上の□の部分をクリックする方法を長年知りませんでした。
ですから、本書はこれから仕事のパソコンを学ぶ新入社員はもちろん、パソコン力を高めるために基礎からパソコンを勉強し直す中堅・ベテラン社員まで、幅広い方のお役に立てるのではないかと思います。
目次
はじめに 仕事の評価の半分はパソコン力で決まってしまう
1章 仕事で使うパソコンの基本
1-1 「仕事のパソコン」は何が違うのか?
- 仕事では,速さ・正確さが求められる
- 仕事には必ず相手がいる
- パソコン操作の基本はマウス
- パソコン画面各部の名称
- マウスはわかりやすいが時間がかかる
- デスクトップのキーボード
- ノートパソコンのキーボード
1-2 「文字入力」の基本を知る
- タッチタイピングをマスターした方がよい
- タッチタイピングの基本=「F」と「J」に両手の人差し指を置く
- テンキーにもホームポジションがある
- テンキーの指使い
- 日本語入力のオン/オフを切り替える
- 漢字に変換する
- 文節区切りの変更方法
- 英数,カタカナの効率のよい変換方法
- 頭文字が英数大文字で始まる場合
- カタカナに変換する
1-3 「パソコン操作」の基本を知る
- スクロールの基本を知る
- アクティブ・ウィンドウを切り替える
- ウィンドウサイズを変更する
- ウィンドウを移動する
- さまざまな範囲指定の方法
1-4 「ファイル管理」の基本を知る
- 仕事におけるファイル管理の重要性
- ファイル名にルールを持たせる
- 半角英数略称を先頭に付ける意義
- フォルダーを使ったファイル管理術
- フォルダーの長所・短所を知る
- 新規フォルダーを作成する
- ファイルやフォルダーの名前を変更する
- ファイル名を連番で管理する
- 複数のファイルを同時選択する
- ファイルやフォルダーを削除する
1-5 仕事のパソコンの「選び方」を知る
- 仕事のパソコンで求められること
- ノートかデスクトップか
- パソコンの大きさも重要なポイント
- その他の注意すべき点
①メモリー搭載量
②OS
③HDDとSSD
2章 仕事を快適にする「設定」変更
2-1 仕事のパソコンで設定変更が必要な理由
- 情報と周辺機器の共有
- 仕事の生産性を高めるための設定
2-2 不要な常駐ソフトは停止すべき
- 起動が遅い一因は「常駐ソフト」にあり
- 不要な常駐ソフトを停止する
- 定期的に「スタートアップ」をチェックする
2-3 インターフェースを自分に合った設定にする
- インターフェースで仕事の効率は30%以上変わる
- マウスの設定を変更する
- タッチパッドの設定を変更する
2-4 「タスクバーにピン留め」でアプリやファイルは素早く起動
- 標準の状態では面倒なアプリの起動
- アプリをタスクバーにピン留めする
- タスクバーにピン留めしたアプリの活用方法
- ファイルやフォルダーもピン留めする
2-5 その他「基本設定」の変更
- Windowsの不要なサービスを無効にする
- 「既定のアプリ」を変更する
3章 メールの仕事術をマスター
3-1 「ビジネスメール」の鉄則を知る
- メールはビジネスコミュニケーションの中心
- ビジネスメールの特徴
3-2 「メール設定」は人任せにしない
- メール設定はIT部門がやってくれるが…
- メールの仕組みはこうなっている
- メールアプリを設定する
- 個人で別に設定しておいた方がよいこと
- メールアプリ「Outlook」の基本構成
3-3 「メール操作」の効率を上げるコツ
- ショートカットキーで効率よく処理
- 入力欄の移動は,「Tab」で行う
- 作成を終えたメールを送信する
- メールを返信する
- メールを転送する
3-4 メールならではの「ビジネスマナー」
- メールに堅苦しい作法は不要
- 簡潔で読みやすいメール文を書くコツ
コツ①メール本文の冒頭に相手の名前を書く
コツ②1行の文字数は15~20字以内が目安
コツ③段落の変わり目は空白行を設ける
コツ④箇条書きを多用する
コツ⑤返信メールでは引用をうまく活用する
コツ⑥見出しを立てて用件をわかりやすくする
コツ⑦太字,下線などを使って目立たせる - ビジネスメールの文体例
3-5 知っておくと役立つメール表現集
- 「うまいメール表現」を他人から盗む
- うまいメール表現集
3-6 大量のメールをうまく管理するコツ
- 受信メールをフォルダーで管理する
- フォルダーのうまい活用方法
- 検索機能で読みたいメールを素早く探す
- メールを素早く見つけるもう1つの方法
- 不要なメールを削除する
- 複数のメールを同時選択して削除
3-7 相手を不快にさせない「添付ファイル」のマナー
- 添付ファイルのルール
ルール①添付できるのはファイルだけ
ルール②送れるファイルの容量に制限がある
ルール③ファイル名のつけ方に注意が必要 - ファイルを添付する
- 添付ファイルは1つにまとめる
- 添付で送れない大容量ファイルの場合
- オンラインストレージの利用の手順
3-8 仕事がはかどるメール操作の「テクニック」
- テクニック①「複数の署名」を使いこなす
テクニック②「CC」「BCC」を使い分ける
テクニック③「開封確認要求」は避けた方がよい
テクニック④「フラグ」機能でToDo管理を行う
4章 ブラウザの仕事術をマスター
4-1 「ブラウザ操作」の基本を知る
- Webは,最も重要で身近な情報源
- ブラウザ各部の名称
- ブラウザ操作の基本
①スクロールする
②検索する
③ページを印刷する
④Webの情報を引用する
⑤画像やグラフをダウンロードする
⑥右手でマウス,左手でキーボード
4-2 「ブラウザ選び」のポイント
- ブラウザ次第で仕事のスピードが変わる
- Edgeの特徴
- IEの特徴
- Firefoxの特徴
- Google Chromeの特徴
4-3 ストレスなくWeb閲覧するコツ
- ページを大きくスクロールする
- 上方向に大きくスクロールする
- ページの先頭,最後へ移動する
- ページを拡大・縮小する
- 新しいタブを開く
- リンク先を新しいタブで開く
- 表示するタブを切り替える
- 表示中のタブを閉じる
4-4 「お気に入り」は必ず活用すべき
- 気になったページはどんどん登録するとよい
- 「お気に入り」へ登録する
- 登録した「お気に入り」を画面に表示する
①IE,Edgeの場合
②Firefoxの場合
③Google Chromeの場合 - 「お気に入り」を整理する方法
4-5 Webページを印刷するコツ
- 必要な部分だけ指定して印刷する
①IE,Firefoxの場合
②Edgeの場合
③Google Chromeの場合
4-6 検索は「絞る」ことで効率を上げられる
- 効率のよい検索テクニックはたくさんある
- AND検索–検索結果の絞り込みの基本
- マイナス検索–特定のキーワードを含むサイトを除外
- OR検索–検索結果の候補を増やす
- その他の検索テクニック
4-7 仕事がはかどるブラウザ操作の「テクニック」
- テクニック①「戻る」「次へ」
- テクニック②「履歴」を表示する
- テクニック③最新の状態に更新する
- テクニック④カーソルブラウズを有効にする
5章 Wordの仕事術をマスター
5-1 「ビジネス文書」の鉄則を知る
- わかりやすく,簡潔で,正確に
①わかりやすさ
②効率性・定型性
③正確さ - よいビジネス文書を作成するコツ
①箇条書きにする
②文章はなるべく短く切る
③項目に番号をつける
④章や節を立て,見出しをつける
⑤重要な部分の書式を変更して目立たせる
5-2 「Word操作」の基本を知る
- Wordを効率よく操作する必要性
- Wordを起動する
- 定期的に保存する習慣を身につける
- ウィンドウを閉じる,Wordを終了する
- Word画面の基本構成
5-3 文字を目立たせる多彩な方法
- 文字を入力する位置を変更する
- 入力する位置を大きく右に移動する
- 入力する行を大きく下に移動する
- 文字の大きさを変更する
- フォントを変更する
5-4 読みやすい文書に整えるコツ
- 文書に統一感を出すことが重要
- 書式を「標準」に戻す
5-5 ビジュアルを入れて文書の説得力を上げる
- ビジュアルがあると大きく印象が変わる
- 貼り付けた画像の移動と拡大・縮小
- 貼り付けた画像を調整する
①「修整」(または「明るさ」「コントラスト」)
②図の圧縮
③位置・文字列の折り返し
④トリミング
5-6 ビジュアルを入れて文書の説得力を上げる
- テクニック①Word文書の表示領域を広くする
- テクニック②ページレイアウトを変更する
- テクニック③ページ全体のバランスを見る
- テクニック④行番号を表示する
- テクニック⑤ルーラーを活用する
①1行目のインデント
②ぶら下げインデント
③左インデント - テクニック⑥ページ番号を挿入する
①表紙をめくった次のページを「1」にする
②表紙にはページ番号を入れない方法 - テクニック⑦入力した文字の置換を行う
6章 Excelの仕事術をマスター
6-1 なぜ仕事ではExcelが使われるのか?
- 3つのことを効率よく行えるのがExcel
役割①「残す」
役割②「見せる」
役割③「集計する・分析する」
6-2 Excelならではの画面表示
- Excel画面の基本構成
6-3 アクティブ・セルを自由自在に移動させるコツ
- ワークシートのスクロール
- ワークシートの先頭,最後まで一瞬でスクロール
- セルを上下左右,好きな方向に移動する
- 範囲指定を応用した効率のよいアクティブ・セルの移動
- Excel作業中によくあるトラブルへの対処
6-4 自由自在に範囲指定するコツ
- 「Shift」を使って範囲指定する
- 他のアプリと違いのある「Ctrl」+「A」
- 行,列を範囲指定する
- 離れた行,列,セルを同時選択する
- 空白のセルを同時選択する
6-5 表を修正するときの手間を劇的に減らすコツ
- 入力したセルを編集する
- 行,列,セルを挿入,削除する
- 入力した行,列,セルの位置を変更する
- セルの書式を変更する
- 同じ修正作業を繰り返す
- 2種類の貼り付け方法の使い分け
- セル内で改行する
6-6 「相対参照」と「絶対参照」を使いこなすコツ
- 「参照」とは何か
- 「相対参照」と「絶対参照」の使い分け
6-7 知らないままだと損するExcelでできる計算方法
- 「演算子」がわかれば計算の幅が広がる
①四則計算以外の算術演算子
②結合演算子
③比較演算子 - 主な演算子
- 計算式を入力するときのルールと裏ワザ
- ( )を使った計算式を立てる
6-8 「関数」で生産性を上げるコツ
- 「関数」は生産性を上げる手段
- 最初に覚えるとすればSUM関数
- COUNT関数,COUNTA関数~データの数をカウントする
- MAX関数とMIN関数~最大値,最小値を求める
- その他の関数の入力方法
- COUNTIF関数~条件に合ったデータを数える
- 「時間の計算」で知っておきたいこと
- 時間の合計を計算したいとき
- 日数の計算をしたいとき
6-9 「串刺し集計」で大量なデータを一気に集計
- 「串刺し集計」とは何か
- 「串刺し集計」を行う手順
6-10 見やすい「グラフ」を作成するコツ
- グラフ作成方法の使い分け
- グラフの種類を変更する
- 表の行/列とグラフの縦軸/横軸の違い
- グラフのデータ範囲を変更する
- 軸目盛を変更して「変化」を際立たせる
- 軸の文字の大きさや名前を変更する
6-11 仕事がはかどるExcel操作の「テクニック」
- テクニック①フィルハンドルで入力を効率化する
- テクニック②「条件付き書式」でデータを目立たせる
- テクニック③条件に合ったデータだけを表示する
- テクニック④データの「並べ替え」を行う
- テクニック⑤「セルのはみだし」を修正する
- テクニック⑥「選択式」で文字の入力をすませる
- テクニック⑦複数のデータのコピー&貼り付けを繰り返す
7章 定番ビジネスアプリの仕事術をマスター
7-1 PowerPointでプレゼンするコツ
- PowerPointとは
- PowerPointだからこそ,内容が問われる
- 図形は貼り絵の感覚で作る
- きれいに図形を描くコツ
- 効率的なスライドの追加方法
- 大量のオブジェクトを効率的に編集する
- スライドマスターで統一感を出す
7-2 PDF文書を使いこなすコツ
- PDF文書とは
- ビジネスでPDF文書が使われる理由
- PDF文書を作成する
- PDF文書の文章をコピーする
- PDF文書の一部を画像として使用する
7-3 手軽で軽快なエディター「メモ帳」
- 「メモ帳」を使う利点とは
- 右端で折り返す–メモ帳の基本操作
- キー一発で,現在の時刻を入力する
7-4 「ペイント」で画像ファイルを加工する
- 「ペイント」とは
- 表示画面を保存する
- トリミングする
7-5 注目度高まる「クラウドサービス」とは?
- クラウドサービスとは
- 一般向けのクラウドサービス
- iPhoneの「iCloud」,Androidの「Googleドライブ」
- Microsoftの「OneDrive」
- 複数の人とファイル共有できる「Dropbox」
- Evernoteで情報を一元化する
- その他のクラウドサービス
索引&ショートカット集
中山真敬(著)
技術評論社