長尾彰 (著)
学研プラス
本の詳細
日本社会における組織の形は、これまではトップダウンによるヒエラルキー型が一般的でした。リーダーとは「長」という肩書きを持つ人や、組織をまとめるポジションを意味することが多く、課長・部長・社長といったマネジメント層の人たちを指している場合がほとんどです。
宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。/長尾彰(著) 学研プラスより
リーダーたるもの、行き先や行き方を迷うことなく先頭で示し続け、人々はその背中に憧れ、尊敬しながらついていく ーーー。
このようなカリスマ的なリーダーが企業や組織を牽引することで、日本の経済産業はめまぐるしい発展を遂げてきたのです。
確かに、これまでの社会はそれで安泰でした。
率先垂範(そっせんすいはん)・不動不惑のリーダーは通用しなくなりつつあり、「総リーダー時代」に突入しているのです。
それなのに、「リーダーたるもの、優秀でなければならない」という呪縛が、未だにどれほど多くの人たちを苦しめていることか!
リーダーを、リーダーたらしめるものはただ1つ。
それは、リーダーシップを発揮することなのです。
たとえば会議中に、1人の男性が「ちょっと休憩にしませんか?」と、提案したとします。
このとき、彼はこの場におけるリーダーの役割を果たしています。
「では、15分ほど休憩にしましょうか」などと提案すれば、その人たちもまたリーダーになるのです。
メンバーそれぞれが「〜したい」という意志を発信することによって、チームの合意形成や意思決定が成されるので、これらすべてが、立派なリーダーシップと呼べるのです。
従来の「リーダーは常に固定された人物」という考え方ではなく、チーム全員がリーダーであり、状況に応じて誰かがリーダーシップを発揮する。リーダーというバトンを、メンバーのあいだでクルクルと回している状況をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
目次
- はじめに
第1章 どんな人でも必ずリーダーになれる
- 牽引(けんいん)型の優秀なリーダーは、もういらない
- 「Want思考」でリーダーシップを磨いていこう
- リーダーの責任、フォロワーの責任とは
- 悪意のない「ドリームキラー」には要注意!
- 心を揺さぶる存在「シェイカー」を目指そう
- 人々に共感されるリーダーシップの秘密
- 敵は「倒す」よりも「消し去る」ほうがいい
第2章 愚者風リーダーシップのススメ
- しんどくないリーダーシップ、あります
- 5人のチームなら、リーダーは5人
- 意見の対立には、反論よりも効果的な方法がある
- トラブル時のリーダーシップ
- チームが陥りやすい「正解」という名の罠(わな)
- ゴールまでのプロセスで、チームの形は変わる
- 命を託せるリーダーが大切にしているもの
第3章 自分らしいリーダーシップを発揮するコツ
- リーダーシップは、組織の形によって変化する
- リーダーは「嫌われる勇気」も必要ありません
- 「競争」が苦手なリーダーは、「共創」に強い
- 「あとちょっとだけ頑張る」のすごいパワー
- 心がくじけそうなときに浮上できる、魔法の言葉
- 「夢中」な状態を作り出す「フロー理論」とは
- あなたの「強み」を診断する最強ツール
第4章 チームの成長とリーダーシップ
- 「半ばやけっぱち」のチームが誕生した理由
- どんなチームでも、成長するにはルールがある
- “群れ”を”チーム”に変えた、ベテランリーダーの手腕
- 混乱しているチームには何が足りない?
第5章 魅力的なリーダーが備えているもの
- 失敗しても許される人・許されない人
- 協力者が集まってくるリーダーの特徴とは
- アシストでやりがちなNG行動とは
- リーダーで生きることは、やっぱりおもしろい
- おわりに