タイプがわかればうまくいく! コミュニケーションスキル

谷益美（著）枝川義邦（著）
総合法令出版

本の詳細
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「相手に合わせて態度を変えるって、なんだかイヤラシくないですか」

もしかしたら、そんな風に思うでしょうか。
正直でいたい、自然体で接したい。人に対して誠実でありたいと考える、多くの方からそう聞かれます。
そんな方にこそ伝えたいのが、多様な相手とうまく恊働関係を築くための「相手目線」の考え方です。

ちゃんと相手に伝えたいから、相手に伝わる言葉を選ぶ。
相手にイヤな思いをさせぬよう、適切な態度を取ろうと努力する。

それはとても真摯で素敵な「一歩上をいくコミュニケーション」。周りも自分も幸せにします。相手に合わせて自分の態度を変えるのは、決していやらしいことではありません。

「でも、別に相手に好かれたいとは思わないしなあ‥‥」

ある日、夜の居酒屋で、友人と人間関係について話していると、メンバーの一人がこう漏らしました。その言葉に、周りのみんなも「私も」「オレも」と、うなずきながら同意。もしかしたらみなさんも、そんな風に思うでしょうか。

「相手に媚びてまで好かれたくない。好かれなくても困らない」
「そもそも仕事に『好き嫌い』を持ち込むこと自体、ナンセンス」

そんな話にうなずきつつ、「でもさ」と伝えた私の主張は
「好かれたほうが、便利じゃない?」

一緒に何かをやろうと誰かを誘うとき、相手が好意を持ってくれていたら、きっと話はよりスムーズに運びます。自分自身に置き換えてみると、一緒の時間を過ごしたり、何かを始めるときに誘うのは、嫌いな相手より好きな相手です。どうしてもその企画に必要な専門家なら別ですが、嫌いな相手にわざわざ声を掛けようとは思いません。

ひとつ目は、相手はこうだと決めつけて、「だから合わない」「苦手だ」と切り捨てる理由にしないことです。
この理論は、相手を分析・理解して、自分の対応をどう変えればうまくいくのかを考えるものです。決して自分の能力及び誰かとの関係を、努力なしであきらめるための「言い訳理論」ではありません。

そして二つ目の注意点は、「この人はこのタイプだ」と、当てはめることにこだわり過ぎないということです。人はそんなに単純ではありませんから、完全にひとつのタイプに絞り込めるはずもありません。たいていの場合、四つの傾向それぞれが、強かったり弱かったりする複合型です。接する相手やシーンに応じ態度も様々に変化します。