佐々木圭一(著)
ダイヤモンド社
本の詳細
そもそも、伝え方というのは、鍛えることができるでしょうか?
学校でも教えてもらったことはないですし、参考書もありません。一方で、明らかに伝え方がうまい人とへたな人がいるのは事実です。友達にも、伝え方がうまい人と、そうではない人、いますよね? うまい人はどこかで学んだわけでもありません。生きてきた環境により、長い間の経験として身についたのです。経験から身についてきたということが周知のことであるがゆえに、伝え方を「学べる」もしくは「鍛えられる」という発想は世の中にほとんどないのが事実。伝え方はセンスによるもので、手応えを持って身につけることができないものとされてきました。
あらためて。伝え方というのは、鍛えることができるのでしょうか?
その状態は、温泉のピンポンに似ています。仲間で温泉に行き、そこに台があればなんとなく触ってみるもの。誰でもピンポンはできますよね。
たいていそこに一人は経験者がいて、にわかに人気者になったりするものです。うまい方とそれ以外の方で何が違うかというと、コツを知っているかいないかが大きいです。「ラケットはぎゅっと握らず、リラックスしながらも鋭く振り抜く」「打つ方向を見るのではなく、打つ瞬間までボールを見る」。その2点を知るだけで、今この場で球筋がガラリと変わります。学ぶ人も珍しいと思いますが、3日間も学べば別人になります。
伝え方も同じなのです。誰でも話すこと/書くことはできます。でも、コツを知っているかどうかで勢いも、美しさも、別モノになります。
「いつもありがとう、山田さん。この領収書、おとせますか?」
たったこれだけの差で、成功率が上がります。理由が2つあります。
なぜなら、「ありがとう」と感謝するコトバに、人は否定をしにくいからです。これは、人間が生まれ持った本能で、自分を認めてくれる人のことを「サポートしたい」という意識が生まれるのです。
さらになぜなら、「山田さん」と名前を言われると、人は応えたくなるからです。これにより、山田さんは「この私」に対して感謝していると感じ、あなたのことをちょっと身近に感じます。人は、関係ない人には断りやすいですが、近い人には断りにくいですよね。
もちろん必ずOKがでるわけではありません。ですが、今まで0%だったものが、いくらかでもアリになれば、人生は明らかに変わります。認められなかったものが認められるようになります。受からなかったものが受かるようになります。
目次
はじめに 伝え方にはシンプルな技術がある
第1章 伝え方にも技術があった!
── なぜ同じ内容なのに、伝え方で「イエス」「ノー」が変わるのか?
- 確率0%を、アリに変える!
── すべてのことで可能性が増えれば、人生は変わる - 大切だとわかっているのに、誰も鍛えていない「伝え方」
── 学校では教えてくれなかったこと。でも手に入れると人生の決めどころでスマッシュを打てる - 伝えることが苦手だった私
── コミュニケーションで悩み抜き、結果として突破に至るまでの道のり - 「伝え方に技術がある!」と気づいたできごと
── 伝え方が苦手だったからこそ気づき、技術として体系化できたこと - いちど知れば、伝え方は一生あなたの武器になる
── 使えば使うほど磨かれ、鋭くなる伝え方の剣 - どんな資格より、まず伝え方を学べ
── 就職でも、昇進でも、あなたを最後まで守ってくれるのは、伝え方 - 個人発信力が求められている時代
── お店オススメより、バイトのゆっき〜オススメが求められる - コトバの一般常識にサヨナラ
── 正しい言葉づかい、教科書の国語は実践で役に立たない - ほとんどすべての人が自己流。つまり学べば突出できる
── 個人発信の今こそ学ぶチャンス。他の人はまだ気づいていない - 第1章まとめ
第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
── あなたがこれからする頼みごとに「イエス!」をもらう具体的な技術
- コトバは「思いつく」のではなく「つくる」ことができる
── 誰にでもつくれる方法がある。一般公開されていなかっただけ - 結果を変える「お願い」コトバのつくり方
- 「イエス」に変える3つのステップ
ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ステップ2 相手の頭の中を想像する
ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる - はじめは丁寧に、レシピ通りに
- 「イエス」に変える「7つの切り口」
①「相手の好きなこと」
②「嫌いなこと回避」
③「選択の自由」
④「認められたい欲」
⑤「あなた限定」
⑥「チームワーク化」
⑦「感謝」 - 「お願い」は相手との共作だ
- この瞬間から、技術を使ってみる
課題1 「自転車を置かないで」
課題2 「ムダな電気を消して」 - コトバの力だけで突破する
── モノでつるのではなく、コトバだけで相手の気持ちを変える - 「ノー」を「イエス」に変える技術を毎日に
── 選べないはずの、白い携帯を手に入れたコトバ
[コラム] ふせんマジックを使う!
── あなたはまだふせんが持つ可能性の10%しか使っていない
- 第2章まとめ
第3章 「強いコトバ」をつくる技術
── 感動スピーチも、映画の名セリフも、こうやればつくれる
- 誰にでも、強いコトバはつくれる
── 例えば、感動するコトバはつくれるのでしょうか? - 世の中の情報量は、10年で約530倍になった
── 感動のないコトバは無視される時代 - 同じ内容なのに強いコトバと弱いコトバがある
- 「強いコトバ」とは?
- コトバエネルギーをどう生むか
- 「強いコトバ」をつくる5つの技術
①サプライズ法──超カンタンだけど、プロも使っている技術
②ギャップ法──オバマ氏、村上春樹氏も使う心を動かす技術
③赤裸裸法──あなたのコトバを、プロが書いたように変える技術
④リピート法──相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術
⑤クライマックス法──寝ている人も目をさます、強烈なメッセージ技術 - 5つの方法を駆使すれば、無限にコトバはできる
── 周りの人から「コトバが変わったね」と言われる日 - 人間の本能に基づいたコトバはグローバルだ
── どの国でも、どの人種でも使える技術 - 10分で「強い長文」をつくる技術
── つまらなそうな長文を、読みたくなるものに変える! 超カンタン版技術
①先を読みたくなる「出だし」をつくる
②読後感をよくする「フィニッシュ」をつくる
③飛ばされない「タイトル」をつくる
[コラム] 時間にゆとりのある方には、長文全体を強く!
- メールは感情30%増量でちょうどいい
── 理解すべきは、デジタル文字の冷たさ! - 人を動かすのは、ルールではない。感動だ
── 本当に人が動くとき、それは心が動いたとき
- 第3章まとめ
おわりに
あなたの宝の地図を見つけよう
佐々木圭一(著)
ダイヤモンド社