顧客と会社を幸せにするES[社員満足]経営の鉄則

顧客と会社を幸せにするES[社員満足]経営の鉄則

顧客と会社を幸せにするES[社員満足]経営の鉄則

志田貴史
中央経済社

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本の詳細

これからは優秀な人材はもとより、頭数をそろえるための人材確保も非常に難しくなる時代が到来する。国内から人材を確保することはより困難になり、外国人労働者を雇用するのは当たり前の時代になっていくだろう。また、せっかく採用した人材に途中で辞められることはもってのほかで、あの手この手で引き止め策を講じざるを得なくなるだろう。

労働人口の減少に歯止めがかかる政策に期待しながら、我々がやるべきことは、限りある労働市場から自社にとっていかに優秀な人材を採用・確保し、入社後パフォーマンスを高めてもらうかである。

それではこの優秀な労働者の確保と一人当たりの生産性を高めるために、企業としてどのようなことに取り組めばいいのだろうか?

結論からいうと、私たちはそのために、ES(社員満足)をしっかりとマネジメントしていかなければいけないということだ。

「人」は税法上決算書ではPL(損益計算書)で人件費(コスト)という項目でしか表現できないのだが、はたしてそうだろうか?

人はむしろBS(貸借対照表)の「資産」であるはずなのだ。人が辞めても帳簿上は何の影響もなく、むしろ損益計算書の人件費が下がり一時的に良くなったようにも見えるが、そんなことはなく、むしろ将来の利益を削ったに過ぎないのだ。

損益計算書の売上・利益をつくるのは最終的には人である社員であり、もっと具体的に見ていくと社員の能力やモチベーションの高さや会社へのロイヤリティの高さも「資産」の一部だと考えてもよいのだ。

優秀な経営者ほどこのBS(貸借対照表)的な視点を持っているものだ。すなわち中長期的に会社の資産を高めるような経営を行っている。だからこそ人を資産とみなし、人への投資を惜しまず、またESもマネジメントしようとするのだ。

一方、優秀でない経営者ほど近視眼的で短期的な損得に目が移ってしまうので、PL(損益計算書)的な視点・発想に陥ってしまい、人を人件費(コスト)としか見ることができず、だから人への投資は抑制し、ESにも配慮できず結果として会社の資産を高めることができないため、なかなか経営が思うようにいかなくなる。

目次

はじめに

第1章 社員をマーケティングできない会社は衰退する

  1. 少子高齢化が加速し、労働市場は想像以上に激変する
  2. ESが下がることによる経営の機会損失は莫大
  3. ESを高めないと経営パフォーマンスも向上しない
  4. 若年者が離職していく理由とは
  5. ESは「人」の重要課題に横串をさす施策になり得る

第2章 ESを高める「非」金銭報酬とは

  1. 金銭報酬に頼らない総報酬(トータルリウォード)の考え方
  2. ESは何によって構成されているのか
  3. ビジョンへの共感~ビジョンで社員のハートをつかんでいるか~
  4. マネジメントの適切さ~マネジメントの納得感は高いか~
  5. 参画への充実度~会社で働くことの参画度は充実しているか~
  6. 企業風土の最適さ~自社の風土は社員にとって最適か~
  7. 就業環境の快適さ~職場環境は快適なものに整備されているか~

第3章 ESはこうやってマネジメントする

  1. 従業員意識調査(モラールサーベイ)の落とし穴
  2. ESマネジメントの全体フロー
  3. ESアンケートの設計
  4. ESポートフォリオ分析
  5. ES向上に向けた施策の検討
  6. ES診断結果のトップ層及び社員へのフィードバック
  7. ES向上の展開と効果の検証

第4章 ESを牽引するビジョン報酬

  1. 先が見えない時代だからこそ明快な経営ビジョンが必要
  2. まずはベースにビジョン報酬が必要不可欠
  3. 星野リゾートの経営理念
  4. ESのマネジメントは採用段階の入口から始まる
  5. 実際に「経営理念体系シート」を活用した事例
  6. 自社が存続するための戦略もESに大きな影響を与える
  7. 事業戦略はシンプルに考え、明快に示す
  8. 自社が存続し続けるシナリオをトータルでしっかり描く

第5章 ESを刺激するマネジメント報酬

  1. 上司のES状態をしっかりつかむ
  2. 上司のEQは高いか
  3. 上司のEQを開発しよう
  4. 人事評価でESを上げるためのポイント
  5. 人事評価シートの基本ポイントとは
  6. ES型人事評価方式とは
  7. 人事評価と賃金とのリンクはどうすべきか

第6章 ESを醸成する仕事報酬・自己成長報酬

  1. 仕事の意味付け・価値付けができているか
  2. 仕事の価値再認識ワーク
  3. 仕事の指示の出し方を見直しESをアップさせる
  4. ほめるを「見える化」してESを高めるしかけ~シンクスマイル社・CIMOSの事例~
  5. 承認には4種類の報酬パターンがある
  6. キャリア開発支援で社員のハートをつかむ
  7. キャリアパスで自己成長の期待感を刺激する

第7章 ESを底上げするコミュニケーション報酬・風土報酬

  1. コミュニケーションの実態はどうなっているのか
  2. コミュニケーションの第一歩は仲間を知ることから
  3. 仲間を知る機会をつくる
  4. コミュニケーションガイドラインをつくる
  5. コミュニケーション報酬を高める面談の技術
  6. 報酬を与えるための聴く手法
  7. 現在の職場の風土はどうなっているのか
  8. 表彰制度を見直しES向上につなげる
  9. 業務成果発表会で組織風土を良好なものに
  10. 「働きたいスーパー日本一になる」を掲げ躍進するハローデイ

第8章 ESを補完する環境報酬・福利厚生報酬

  1. ESに影響を与える職場環境と労働条件
  2. ソーシャルサポーター制度でメンタルヘルスの不調を予防する
  3. レイアウト変更でESを向上させる
  4. ヘルスケアマネジメントでESを底上げする
  5. 価値ある休暇をとらせESをアップさせる
  6. 長時間労働や残業体質から一歩抜け出すには
  7. ゴールの明確化で生産性アップを実現する
  8. ハラスメントやいじめ対策も考えなければいけない時代
  9. 福利厚生を充実させながら,業績向上も同時に図る株式会社カンナ

第9章 ESに取り組み好業績を出し続ける企業事例

  1. 福岡運輸システムネット株式会社の事例
  2. ESポートフォリオ分析と改善の施策
  3. ESマネジメントの成果の確認
  4. ESマネジメントのススメと今後の課題

第10章 ES経営で好循環サイクルを創りだす

  1. ES向上は、CSと経営成果の向上に比例する
  2. ESはM-PDCAでマネジメントする
  3. ESマネジメントをより効果的に運用していくには

おわりに

 
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志田貴史
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